前回の記事で選択便器基礎を学びました。
ここからは選択便器演習として、皆さんにより高度な発展問題を考えてもらいます。
【問1】
上図のように《カルテット1紳》の便況がある、最善の一手を答えよ。
アニマトリオを考えないものとする。
ただし、膀胱定数をTとする。
ただし、重力加速度を9.8とする。
この設問のように便図にはアニマ(大便器)などのいらない情報が書かれていたり、大学の入試問題などでは具体的な便況の写真などを使って問題を出されていたりするが、必ず問題文に二重山括弧《》でくくられた棋譜が書かれていて、その棋譜以外の便図の状況は基本的に選択肢として考慮しない(たまに裏を突いた問題があるが)
なのでこの問題では小便器4つのカルテットが解答者にあたえられた選択肢として考える。
すると、みなさんはサイドの概念は既に履修済みですから。
この二択であることまでは想像がついているかとおもいます。
そしてサイドの牽制効率を考え、角が不利なので①を選ぶ
と皆さんはしてしまいがちですがこの問題、そこが引っ掛けなんです。
仮に①の「一3亀」を打ったとします。
するとかかるサイドは図のように、初手ジェントルの「一2」と自機の「一2(重複),一4」となります。
また②の選択肢でもかかるサイドは初手「一2」、自機「一3」となります。
①②どちらを選んでもこれ、相手は詰みなんですね。
※自機を「一2愚」に置くのはベンジャミンに格落ちするので選択肢としてあり得ない。
つまり、どちらに置いても次にトイレに来る相手を確実に詰ませる事ができるわけです。詰まれた相手は格落ち覚悟で打便(便器を選ぶ(打つ)こと)しなければなりません。
すると①(一3珍)の選択だと
このように3人目「一2ホ成」で格落ちして両者の安便妨害を図ってきます。
逆に「一4愚成」でベンジャミンに格落ちしてくるパターンもありますがあまり見ないですね
どちらにせよ3人目を考えた時、①の選択は必ずサイドを取られてしまう結果となり紳士的に不適。
例えば
これくらい広ければ《トレデクテット3紳;一5打》として
このように「一4」にダブルサイドをかけることができ、非常に強い手になりますが
このような狭い空間では、逆にサイドを取られてしまう確率を瀑上げしてしまう悪手になりかねないので注意しましょう。
このように3人目が詰みになってしまうような2手であれば、その3人目の詰んだあとの行動をも考慮した一手を打つことができるかが初心者から中級者への壁となってきます
のでこの答えは「一4帰」が正解となります。
こうなると三人目が「一2愚成」を選べば安全圏から初手ジェントルの安便妨害に成功しますし、「一3愚成」されたとしてもホモには成れないので、こちらへのダメージは軽く済みます。
【問2】
《トリオ》初手を答えよ。
こういういかにも単純な問題が実は奥深かった、というのはよくあります。
前回の記事の初手を考える講座で、「角を取らない」「奇数列は偶数便を取る」ということでMiddle(一2馬)を取ってしまいがちですが。
これもまた「詰み」であることを忘れてはいけません。
このように、相手を確実にベンジャミンにすることができますが、自身も断尿状態になってしまいますのでどちらにも損害が生じてしまいます。
これは紳士的に不適という解になってしまいます。
古代ローマの哲学者、ルクレティウスもこう残しています。
「雨が石をくだくのは、激しく落ちるからではなく、 何度も落ちるからだ。」
この言葉が何に関係あるかというと、特に何もないのですが。古代ローマ時代には既に便所があって、その時からトリオ初手問題というのはルールブックの修正が絶えないほど議論されつくされてきました。
そして「紳士的ではない」という意見や、「初手トリオなどという確実に詰める便状で、便所に早く来るかどうかの差でしかない勝敗に何の意味があるのか」等の解が得られ
[トリオ:一3打(初手)]は禁止カードになりました。
古典便学ではこのような結論に至ってますが、現代選択便器論においても「トリオ一3初」はベンジャミンに格落ちするというローカルルールが広く採用されています。
昨今では選択便器学を履修していない一般大衆の間でもトリオ初手真ん中はそもそも「空気読めない」として扱われています。
このように英語圏では学力にかかわらず一般庶民にも選択便器論の普及が行き届いていて、非常にジェントル教育の発展を感じさせますね。
それに対してなんだこのふざけた国は
便器選択でココロが分かるわけ無いだろ。
画像検索で一つも海外みたいな画像が出てこないあげく、選択便器論を占いに使うとか現代学術における重大な挑戦的行為だわ…。。
合コンでどんだけ酔ってても便所の選択で占いなんかしねぇわハゲ。
ましてや
トイレの扉が3つあります。あなたはどこに入りますか?~あなたのビジネススタイルがわかる!:けんじろう と コラボろう!:オルタナティブ・ブログ
>真ん中のトイレ(B)を選ぶようになった。
B(真ん中)を選ぶ人
「何事もロジカルに考える合理主義か、または、清潔感に気を使う人です。両端のトイレに入る人が多いから、一番利用されない真ん中のトイレを利用することで、便座や床が汚れている可能性を最低限に抑えることができる、と考える人です。
人と同じ事をするのが嫌いで、逆転の発想をして成果を得るというビジネスで成功する可能性の高い人でしょう。」
なんだこの記事は(怒)
学問を心理テストに使った挙句、トリオ初手ミドルを推奨する文言を書きやがって
これじゃあ日本はもうすぐデフォルトに格落ちするわ
皆さんにはもっと我が国が選択便器論において世界に遅れているということの危機感を感じてもらいたいですね(半ギレ)
I wish kindness world... (中学生並みの英語)
【問3】
《クインテット1紳(初)4紳》の時、次手を示せ。
ついに実践編もかなり実践に応用が効く段階へと進んできました。
これも”詰み”の状態、この便況の厄介なところはダブルサイドがない完璧な詰みなんですね、なのでダブルサイド格落ちホモという攻撃ができないので従来でのテンプレ対処ができません。
※ダブルサイド格落ちホモの一例(《カルテット1紳(初)3紳;一2ホ成》)
これは海外でも話題になっていて
このような画像が出回っています。
まさにこの一般民衆(真ん中が正解とかほざくドアホ以外)も感覚的には詰んでると解釈される通り、選択便器論においてもこの”詰み”とされる便況で、この状況での最善な一手を答えろというのが今回の問題である。
そして2体目のジェントルは明らかに悪意のある便選択で、「一3聖」を打ってくれていたら「一5和」で理想形を保てる便況(二手「一5聖」三手「一3和」でもOK)であえて「一4悪」を打ってますからこちらから譲歩してやる必要はないです。こちらとしては紳士的権限を守りながら、第二ジェントル(二番目に入ってきて一4殺を打った便人)に紳士的アタックをしたいわけです。
しかし紳士的権限を守るためにはベンジャミンに格落ちするのはあり得ません、コマの強さ順ではベンジャミンは凡人に値しますが、紳士的には普通であることは許されない。高貴であるか、毒を食らわば皿までいくほどのぶっ飛んだ人物で無ければならない。
なのでベンジャミンよりホモに格落ちしたい、そしてホモに格落ちするには最低でもダブルサイドを取らなければならないのですが、ダブルサイドを取らなくても強引にダブルサイドと同等の打牌を打つ方法があります。
このように自分をタップして「一2,3W」と打つこともできます。
しかしこの方法は、反紳士的であると同時に反社会的でもあるため「ホモ」的側面とベンジャミンの成れの果てである「暴君」的側面の両面を持っていることに注意
この状態ですと、前回の記事のように「ホモか暴君かを選択できる」といったことはできず、強制的に「ホモと暴君両方のペナルティを受ける」ことになります。
なぜなら、例えば
この時の「一4糞成」のような
便器にウンコを投げつけたという選択肢には
「便器を汚すためにうんこを投げた(暴君的動機)」
「ウンコをしてしまったからごまかすために投げた(デフォルト的動機)」
という相反する二つの側面がそれぞれ別の動機として存在しているため、行為者はその動機を選択する事ができた。
ダブルサイド格落ちホモ(シールドオブプライド)も
「ホモだからダブルサイドを取ったのか(ホモ的動機)」
「ベンジャミン(無神経カス)だからダブルサイドを取ったのか(ベンジャミン的動機)」
という独立した二つの論理を選択するという形で格落ちできた。
しかしこれは、図解すると
こういう状況を意味するので、
「ホモ的側面(便器を舐める行為)」
「暴君的側面(便器を二つ占領することやその他の迷惑行為)」
が共存するので「ホモ+暴君」状態になります。これを専門用語でオルトロス状態と呼びます、三つが共存しているとアシュラと呼びます。
なので「一2,3W」では「ホモ+暴君」のオルトロス落ちで
紳士的権限の9割、社会性の全て、安心感全財産の全て、カード、人権の6割を失ってしまいます。
(暴君格落ち損害:紳士的権限の9割、社会性の1割、賠償金、おこづかい権剥奪)
(ホモ格落ち損害:紳士的権限5割、市民権の9割、安心感の全て、プライド)
これでは、ベンジャミンに格落ちして「第二ジェントル(一4紳)に攻撃する」ほうが遥かにマシです。
また「第二ジェントル(一4紳)に攻撃する」事はできましたが、当初の目的である「紳士的権限の死守」が達成されていません
なのでこの解答は、問題の意図にそぐわないとしてペケを付けられてしまいます。
ではどうすればいいか。
Effective breakthrough win the game by a simple move... ...
紳士的原則を思い出して下さい。
紳士が紳士たるゆえんは「小便するときに横に立たれたくないという生物的恐怖」にあります。
横に立たれたくないというのは生物的本能から来るものなので、本能的に横に立たれたくない人間が後ろに立たれることを更に嫌うのは自然の摂理。
つまり、後ろに立つという行為は合法的に相手の紳士的尊厳を最大限蹂躙する行為と同義なのです。
さらに《クインテット1紳(初)4紳》、【埋◯◯◯◯】の状態で【埋◯◯埋◯】ここに打つということは、相手自身も「ここに立つと困るやろなぁ……」ということが分かっているがゆえの打便ですから、相手の精神には紳士的本能(横に立たれたくない気持ち)が宿っていることがわかるので、確実にダメージを与えることができます。
更に後ろに立って無意味に足音を立てたり、聞こえるくらいの呼吸音や、首を慣らすことで存在感をアピールし、よりピリピリとした背後感を与えることでダメージを倍増させることができます。
【問4】
《セクステット1ベ紳ホ紳ベベ埋:オクテット1紳べ糞ベ紳ベベベ埋;3人待ち,後1,糞待機》において
小便中の全ての便人は次の自分のターン終了時まで用を足し終えることはない。
また、前列で待っている3人が次の小便器選択において一分の隙もないほどに尿意を我慢している。
この時、後列で並んでいて自分より後に用を足すであろう紳士も背後から格落ち覚悟で順番抜かしをしそうであり、また自分の右下にいる金魚の糞(図参照)は並んでもいないくせにあわよくば横入りをしそうなものとする。
次手で用を足せ。
十数年前、物議を醸した難問中の難問です。
初出はアイビーリーグの入試試験と言われていたり、某有名企業ではこれを正解しただけで採用を決めたと言われていたり
あらゆる尾ひれのついた噂が独り歩きするくらいの話題性を持った良問。
あまりに有名すぎて正解だけは知っているという人も多いのではないでしょうか。
問題の概要としては、典型的な詰み状態から脱却する手順を問う問題。
このような詰み回避問題の多くは数手先まで記述する形式が多く、少なくても2手3手先まで問う形で詰み脱却のプラン構築能力を問うことが多く
特に便器待ちで並んでいる状況での問題は5手先や6手先まで猶予があるのが定石なのですが。
この問題では「一手しか打てない」という極限まで選択肢を限定しているというのが大きな特徴です。
そして「便器は全て埋まっていて、自分のターン終了時まで動くことはない」というのが2つめの大きな特徴です。
これによって空いてる便器を格落ち覚悟で占領するという損切りもできなくなっています。
第三問のようにある程度尿意に余裕があれば同歩などによって牽制できるのですが、この問題は「次手で用を足せ」という文言でその手の逃げ方を回避しているほか、待っている待機便人も不審な行動を許容できないほどには尿意を我慢しているので、多少の小細工は通用しない解釈がなされる危険性がある。
このようにガッチガチに行動を制限している中で「一手で用を足せ」ということですから、当時は《ぼくがかんがえたさいきょうの棋譜を小学生が考えただけ》だろという批判がなされていました。
そもそも選択便器論を知らない人間が書いたか、選択便器論そのものを批判するヒアリスト勢力のプロパガンダ、あるいはフリーメイソンのしわざとも言われていました
それもそのはずで、この状況下において自身の取れる行動は一つしかありません
《その場で尿を漏らしてデフォルトする》
誰もがこれ以外の回答を思いつけなかったのです。
基礎中の基礎ですが、この状況下でデフォルトするというのは紳士的権限の全てを失うつまりトイレ参加権すら失うことと同義ですから、答えとしては不適の極みです。
一見すると、ただ考えるだけ時間を損する悪問にしか見えませんが、これが十数年間良問として語り継がれるということは
や は り あ っ た の で す
革新的な一手が
それは
What the Fu●k!!?
Pissin' hell and high water!!!
No fu●king way!!!
One move to overcome the functional fixedness!!!
Don't think, pee!!!
排水口に!!!!!
この回答がなされたとき、選択便器論者の中でコペルニクス的転回が起きました。
それはモンティ・ホール問題を機械で演算して扉を変える選択に確率が収束したときのように、たとえば君が傷ついてくじけそうになった時はかならずぼくがそばにいてささえてあげてたその肩のように
人の延髄を穿つ、鮮烈なアイデアでした。
本来水浸しを回避するための排水口ですが、そこは小便をする便器ではないという機能的固着がありました。排水口は便器ではないという根本的な部分に根付く先入観、それこそが我々の紳士的思考を阻害する毒だったのです。
この回答がなされたとき、選択便器論アンチによって「これは暴君的行為だ」という批判がなされ、確かに排水口に小便をするという行為は一見育ちの悪い暴君的行為に他ならないというのは最もらしい批判です。
が。
そもそも「排水口がなぜ存在するのか」という本質的な問いに帰結します。
便器があるなら排水溝を設置する必要がないということは、家庭用便器において証明されています。
つまり、排水口とは《本来存在しえぬもの》なのです。
しかし、選択便器論で用いられるような公衆トイレではなぜか当たり前のように排水口が設置されている。
この意義、存在理由はズヴァリ「便器から水が溢れてきた場合のセーフティネット」に他なりません、あらゆる人間が流動的に使用するトイレですから詰まるリスクも家庭用便器の非ではありません。
つまり、多くの人が使うことで避けることのできない洪水を防ぐための排水口なのです。
ならば、一つのある本質にたどり着きます「便器が溢れてきた水を吸引するための排水口」それはつまりもう「便器」ではないだろうか?
小便器に撒いたおしっこが流れずに溢れてきたものを吸収する、大便器に撒き散らしたうんちが流れずに溢れてきたものを吸収する。この時点で大小両方を吸収することを想定して設計されている。
この時点で小便器の上位互換的役割を果たしているのは明白なので、ここに直接小便をしても暴君的行為にはならないのです。
なぜなら排水口は水が溢れた時のためにあるんだから
人が溢れた時にも役に立っていいじゃないか
このように、既成概念によって発生する神の見えざる手によってなんとなく並べられた便器にしか小便をしてはいけないという常識の濁流に人は飲まれがちですが、その渦潮からいかに逃れる思考をするかというしたたかさはまさに紳士的と言えるでしょう。
便器以外のモノが便器でないという常識を疑え
これこそが21世紀に求められる思考力であり、だからこそ一流企業の面接にも選択便器論が採用されている所以なのです。
【おまけ】
これは厳密には選択便器論とは別物なのですが
どの便器を選択するかというのを統計的なデータを用いたシミュレーションをゲーム感覚でできるサイトです、
選択便器論というよりかは一般大衆の主観的な便器選択を行動心理学的見地から見ることができるので「相手の手を想像しながら打ちたい人」や「選択便器論を学ぶきっかけ」になると思います。
まぁ僕からすれば簡単なんてレベルじゃあないですがね。