はなくそモグモグ

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ハンタの王位継承戦を解説④ 367~370話までの各話を解説(漸次更新)

 

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この記事はジャンプ本誌連載のHUNTERXHUNTER 367話『同期』(2017年 8月7日 現在)までの情報を元に作成されています。

コミックス34巻までの内容はもちろんのこと、コミックス未掲載分の最新話の情報も取り扱っているのでネタバレ注意。

取り扱う情報は「公式で販売されているジャンプ」を基準とし、公式より早く流出するネタバレ情報を含みませんのでご了承下さい。

 

前回

ハンタの王位継承戦を解説③ ~366話(7/31掲載分)までの本編解説

ハンタの王位継承戦を解説② ~王位継承にまつわる設定

ハンタの王位継承戦を解説① ~継承戦が始まるまでの成り行き

HUNTER×HUNTERを楽しむためのあれこれ

 

【8/30】 369話まで更新

【9/5】   後半(369~370)を大幅に加筆

 

367話掲載分のジャンプは合併号ということで368話との間には一週間の間隔が空くことになるので、本当は367話まで前回の記事にまとめたかったのですが。(謎のこだわり)

 

 

No.367「同期」(単行本未収録)

 

前回までのおさらいをしておくと

①エンペラータイムは1秒につき寿命が1時間縮む

②エンペラータイムにより、オイト王妃に「リトルアイ」を搭載可能に

③「リトルアイ」で小動物を操作し、各王子の偵察をしたい

④なので操作できる小動物を探している

 

という中で

・早く能力を使って必要な情報を集めないと①によってどんどん命が蝕まれる。

・365話にて「ツベッバの護衛」が念の情報に着いての情報提供を求めやって来る

・そして、「ベンジャミン私設兵」「チョウライ私設兵」「ドゥアズル所属兵」の監視の目がある

 

これらの監視の目をくぐりながら、小動物を見つけなければならない・・・・

 

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コミックス35巻(推定):No.367「同期」

既に室内にいるバビマイナ除く監視人の目には「盗聴器を探している」という風に映っている。

盗聴器(盗聴される側)ではなく盗聴する側としての小動物(盗聴器)を探してるとはまさか思わないだろう。

この対比が粋である。

 

 

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コミックス35巻(推定):No.367「同期」

そして予定されていた通り、マオール(第五王子ツベッバ私設兵)が念の情報を聞くためやってきた。

そこで、クラピカは

「渡す情報が和平を結ぶに値するものかどうかの確認」

「余計な疑問を持たれないため」

として、警護兵全員の同席を求める。

もちろんこれは建前で「警護兵を一つの部屋に集めている隙に、念能力で操作するための小動物を探し出す」ためであることは明白である。

 

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そして本誌で描写されていた「警護兵控え室」というのはおそらくここで間違いないだろう。

 

しかし、バビマイナから「待った」が入る。

「王妃と王子を守るのは”国防法上”の最重要任務なので、彼女らを同席させてくれ」

という内容である。まぁこれも建前だが

要するに「監視人を奥の部屋に押し込んだ後、その隙になにか小細工するんじゃないか」ということに感づいて、それを防ぐ意図がある。

もちろんバビマイナは「オイト王妃が念能力(リトルアイ)を使える状況にある」ということは知らないが、図らずも「小動物」を操作するのに必須なオイト王妃の行動を制限された形となる。

 

このとき建前とは言え「国防法上」というルールを持ち込んでいる。

363話や365話で言及されている通り、バビマイナの配属は「ルール上による強制」なので「王子と王妃を守るため」と言われてしまえば、その要求は絶対に断れない。

厳密には、断ると「法律違反として」継承戦の審判である国王軍と軍事衝突を免れない状況になってしまう。

なので、クラピカは王妃と王子の同席を受け入れるしか無いが

 

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説明の場所を「王子主寝室」に変更した。

どちらも「監視人を奥の部屋に押し込む」という目的は達成されうるので、変更する必要性はあまりないように思うのだが

先程指定された従事者エリアでは死角が多いので、監視人に何かされるのを防ぐ狙いがあるのかもしれない。

 

クラピカは「警護兵の控え室(従事者エリア)は大量変死があった陰惨な場所だから場所を王子主寝室に変更してくれ」と建前を用いるも

 

バビマイナは「(事故現場を避けるのであれば)リビングで説明すればいいだけの話だろう」と建前を潰しにかかる。

これも先程同様「監視人を奥の部屋に押し込んだ後、その隙になにか小細工するんじゃないか」というのを防ぐためで、リビングなら全ての部屋の動線上に存在するから相手の動きを把握しやすい狙いがある。

 

 

そこでクラピカはハッタリをかます

「ここ(リビング)もつい先刻何人も人が殺された場所だ!王妃の御心痛をいたわれ!」

死亡ポイントを見ると、リビングでは何もおこっていない。

従者のサンドラを殺した第一王子私設兵のビンセントが取り押さえられた場所か

あるいは、サイールドが取り押さえられた場所か、

それがギリギリリビングとかぶっている可能性もあるっちゃあるが「何人も人が殺された場所」ではない

 

しかし、バビマイナはそれを知らないのでクラピカは普通に嘘をつける。

仮にその嘘がバレていたとしても「なんで嘘ってわかるんだ?」という風に盗聴手段の存在を逆に追求できるためバビマイナは要求を飲むしか無い。

 

こういう、論戦がぼくのチョ~好みなんですよねぇ。

建前でこういう行動を通そうとするけど、建前の揚げ足を取って行動の正当性を潰しにかかる!みたいな

海外ドラマだと結構見るんだけど他の創作媒体だと滅多に見る機会がないよねぇ(僕が小説を読まないせいかもしれないけど)

 

そこにマオールがやってきて「すこぶる正論だな」とクラピカを支持

362でツェリが「すこぶる同感だね」と言ってたのもそうだが、すこぶるという語感にハマっているのだろうか。

 

国防法上では「王子と王妃を守るため、一緒にいる」必要があるが、その場所を指定することまで権利は及ばない。

なので、複数人が「王子の主寝室でいい」といえば、それをゴネることはできない。

よって部屋が決まる。

 

マオールは「情報は結局使うもの次第だから、何人監視人が同席しようと問題ない」というスタンス

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コミックス33巻:No.350「王子」

モモゼもそうだが、自信過剰な王子が多すぎでしょ

 

(こと念に関しては、目で見たものでさえ真実とは限らないぞ)とクラピカ

 

 

今回のHUNTERXHUNTERの一連の話は結構読者を置いてけぼりにしてるかと思いきや、こういうシーンで「今から念を使ってハッタリかますよ」っていうのを暗に示していたり、意外と親切だと思った。

 

護衛に念に関する情報を与えるさなか

 

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コミックス35巻(推定):No.367「同期」

目当ての「小動物」を発見する。

 

 

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

前回の話で3層以下(たぶん5層)でゴキブリがいる描写があったのですが

1層の高級なエリアで死ぬほど欲しいゴキブリが、5層では簡単に見つかるという対比を演出しているのかと思ってたんですが

どうやら「ゴキブリは船内のどこにでもいる」ということの布石として描いていたみたいですね。

 

話を戻すと

クラピカやオイトはついに見つけたと言わんばかりの過剰な反応を見せてしまったので、バビマイナに(反応が少し過敏だな)と怪しまれるが

オイトがとっさの機転で

「何をボサッと見ているのです!」

「早く捕まえて!!汚らしい!!」

と騒ぎ立てる。

33巻ではオイトは貧しい家の出身だということが判明していますから、ゴキブリなんか多分全然平気なんでしょうが。

「ここで殺すのは絶対ダメ」「どこか他の場所で処分してちょうだい!!」

と建前を駆使しながら、捕獲するように誘導している。

 

・監視員の中では念を使えるのはバビマイナのみ

・他の監視員はリトルアイを発動させても気づかない

・ゆえに、バビマイナの目を盗んで発動させたい。

 

ここで、クラピカは博打に出る。

ここからは読んだ通りの内容なので、解説する必要もない気がするが

クラピカはここで「ビルは操作系能力者」と誤認させることに成功する。

 

364話時点で、ベンジャミンサイドには

オイトの警護兵のうち、ハンター2人がそれぞれ

 

「念を封じる能力者が一人」

「自白に持ち込める能力者が一人」

 

いると思っている。実は両方共クラピカの能力なのだが(チート過ぎるだろ)

つまりこのうち「自白に持ち込める能力者が一人」が「生物を操る能力」としてビルが持っていると思い込ませることに成功した。

 

ただ、ベンジャミンがビンセントに14室を襲わせたように「防衛権の行使」が使えなくなったのは、「自白に持ち込める能力者」が「本音」を語らせるからで

ベンジャミンがワブルを殺すために「防衛権の行使」を行うならば、「自白に持ち込める能力者」を真っ先に殺す必要が出て来る。

するとビルの命の危険度が、このハッタリによって爆上げした感は否めない。

 

 

そしてその後、クラピカは警護兵全員に「念の講習会を開く」ことを提案する

条件は「他の王子にこの案件を全て話し、参加の意思決定をそれぞれに委ねること」

 

これに対し、バビマイナは「膠着状態を作るためにここまでやるのか」と警戒。

 

しかしこの行動の本質はやはり「ツェリードニヒと会うため」だろう

ツベッバあたりからは全員私設兵を持っているので、

 

①ツェリードニヒの部下にも念の使い手がいて教えを乞う

②あるいはベンジャミンのように予め念能力知っていて、かつ使える。

③自分も部下も知らないので、情報を集めたい

 

の3択がクラピカの脳裏に浮かんでいることだろう。

そのうち、今回の話に至るまでツェリの周りの二人の王子、つまり第3王子のチョウライ、第5王子のツベッバは二人とも③のパターンだったので、「念の情報」でツェリードニヒが釣れると思ったのだろう。

仮に①、②としても、①はセカンドオピニオンとして釣れる可能性があるので十分収穫は見込める。

 

実際はツェリは①なので「講習会」には参加しない可能性があるが、おそらくハルケンブルグ(8)参加しに来ると思うので

今後の展開的には大きな進展になったのではないかと思う。

 

最下位の王子と王妃で、ハルケンブルグの護衛になることができず、事実上ツェリードニヒに近づく手段がなかったクラピカだが

ここに来て目的達成の光明が見えてきた形となる。

 

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コミックス35巻(推定):No.367「同期」

その一方で、ゴキブリを操作しているオイトは各王子の情報収集に勤しむ。


最初の記事で

 

今回の話(366話)をもって、次回かその次あたりに物語が大きく進みそうな感じがしてきたので(僕の予想では、次回でツベッパの手下と交渉した後、最後のページで衝撃の展開みたいな)

王子の誰かが死ぬか、それに準ずる何か膠着状態が大きく揺れるほどの、あるいは視点が変わるか(クロロか、乗船している誰かか)

HUNTER×HUNTERを楽しむためのあれこれ - はなくそモグモグ

 と予想していましたが

どうやら次回からは、このゴキブリを使って「各王子の護衛の情報を開示していく」展開、つまり設定がひたすら公開されていく内容になりそうですね。

→【追記】なりませんでした

 

 

 

No.368「凶行」(単行本未収録)

 

第13王子マラヤーム(単純な強さで言えばここが最強か)の護衛の情報を得るオイト王妃

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そしてそのまま12王室へと向かう

するとモモゼ王子が首を絞められている光景が

漫画なのにすごい生々しくて、、、、なんというか。

いいですね

 

あのクロロの顔といい何か感情に訴えてくる描写がうまいですよね

モモゼが袋詰めされてるシーンも「うわっ」ってなるし

これでシナリオ構築が「気まぐれで嘘つき」でなければ最高なのですが

 

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ここで「オイトが念能力を使っている」という情報がバビマイナに知られることになります。

バビマイナの情報は

 

「念を封じる能力者が一人」(364話)

「自白に持ち込める能力者が一人」(364話)→「操作系の能力?」(367話)→ビルの能力?(367話)→オイトの能力?(368話)

 

というふうに更新されている。

オイトは「駆け引きなどしてる場合ですか!」とモモゼの安否を確認する

当然、下位王子から上位王子に連絡することはできないので、第一王子の護衛としてバビマイナが仲介する形となる

 

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6名となっていますが

まあ数が合わないですよね。

 

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王妃セヴァンチの娘ですから、監視人は6人

そしてベンジャミンが送り込んだ警護兵のビクト

監視人(容疑者)は7人いるはず

具体的には「ウンマ所属の監視人」がいるはずなんですよね

 

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

ただ「最低でもどちらか」王子のそばで警護するということなので

例外的にウンマ所属の警護兵がついていない可能性もある。

 

ただ、

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ワブルの時はしっかりウンマ所属兵とドゥアズル所属兵の両方がいた事になりますから。

よっぽどのことがない限りは普通にウンマ所属の兵がいると見て間違いない気がするのだが

これはオイトが得た「マラヤームの警護兵」の情報(まだ描写されていない)によって「ウンマ所属兵がいない状況」が自然なことなのか不自然なことなのかを判断するしかないでしょうね。

 

僕的には現時点で「いない」ことで

ウンマ所属兵がモモゼ暗殺に関与していた

だとしたら周りの警護兵が「あいついないんだけど」ってチクると思いますけどもね

ウンマ所属兵が王子を離れざるを得ない別件を抱えていた

第三王子チョウライについていた第二王妃所属のスラッカはクラピカの言う「継承戦を左右するに足る情報」を求めて、建前であるチョウライの警護を放棄してクラピカのそばについたシーンが以前の話で書かれていて

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

その時、

・第一王妃ウンマ所属兵と第二王妃ドゥアズル所属兵が情報を共有していること

・そのため、どちらか一人が持ち場を離れることもある

・第二王妃所属のスラッカは第一王妃所属、第一王子ベンジャミン所属の行動を伺ったうえで行動を選択していた(つまり、上の警護兵の判断が絶対)

 

ということは、このクラピカとチョウライ(第三王子)のときのように

モモゼ王子の周りでも、重大な情報を得る(orその他の目的の)ためにウンマ所属兵が自主的に持ち場を離れていた可能性もある。

 

しかし、第二王妃所属のスラッカが行動を伺い立てていたのはウンマ所属兵ではなくベンジャミン所属兵のコベントバだった

→つまり、チョウライ(第三王子)の警護にも「第一王妃ウンマ所属兵」がいなかったことになる。

なので、363話でベンジャミンが警護兵(監視人)として全ての王子に自分の私設兵を投入したのが、あれはウンマ所属の監視人と入れ替わりだったのか

(そうだとするとややこしくなるので絶対読者にわかるよう明記するだろうし、ウンマ所属兵から情報を得ているツェリードニヒが反対しそうなもんだけどなぁ)

 

一番考えたくないパターンは

359話時点ではクラピカの部屋に7人の監視人を描写したのに(ここで監視人の設定を作る)

それを忘れたまま「ウンマ所属兵は何らかの事情でいない設定」を作ってしまった(という執筆上のミス)

 

あるいは単純にウンマ所属兵を書き忘れたまま連載が続いている。

 

これだけはガチでやめてくれ

 

 とりあえず「ウンマ所属兵どこにいった」というのが今後の展開で触れられることに期待したい。

 

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白々しいんだよなこの偏愛ババア

・モモゼに6人の監視人だけを残したけど「まさか殺すとは思わなかった」

今後建前でこう言うでしょうが、実際はどうだろうか。

まぁマラヤーム(13王子)の警護を優先するあまり、モモゼ(12王子)がどうなるのかという予想ができなかった(それほどマラヤームを盲愛していた)ということもありそうだが

継承戦という性質上「一人を守る」ということが「他の王子を殺す」ということを内包しているため「マラヤームを守る」「モモゼが生きる」この二つはトレードオフの関係にならざるをえない「あちらが勃てばこちらが勃たず」なのはセヴァンチも重々理解しているはずだが

なんかこういう理性的な判断が欠如している人間もいるので一概にこうとは言えない。

・モモゼを見殺しにした上で暗殺者(暗殺できる技術を持ったもの)が身近にいるのは「マラヤームにとって危険」なのでモモゼの監視人もろともこの世から消したい

僕的にはこっちですかね

まぁモモゼがいなくなったとき、その監視人が他の王子の護衛に流れるということもなければ、そいつらを消したところでマラヤームにはマラヤームの監視人が6人いるという事実が変わらないので、6名全員を死刑にする事自体に意味は無いのですが。

暗殺しうる技術(セヴァンチは知らないはずだが、具体的には念能力のこと)を持った人間がマラヤームの周りをウロウロされるのはたまらない、だから暗殺者を確実に殺すために「全員死刑」を望んでいるのだろう

(暗殺者一人に絞って逮捕すれば冤罪で真犯人が生き延びる可能性があるので、それすら残さないために全員なのかと)

 

 

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これまでの展開で

バショウ→第七王子  「あんたが国王になれば?」

センリツ→第十一王子 「こんなの間違ってる」

と依頼人に入れ込む様子があって

これが状況によってクラピカ達と対立しうる要素になるんじゃないかっていう雰囲気になっていて

対して、イズナビやビスケ、ハンゾーは仕事と割り切ってドライな感じの印象を受けたけど

意外とハンゾーも入れ込むタイプなのね

まぁハンター試験のvsゴンでも情にほだされるシーンはあったんだけど、こと仕事に関しては「幼少期に人を殺した」「拷問する時は一生恨まれる覚悟でやる」等精神的コントロールみたいなのは出来るのかと思っていた。

なので

・継承戦自体を知らされていなかった

念獣が出てきた時点で雇用主(この場合はセヴァンチ王妃)と外部の護衛(無能力者、協専、クラピカ達)はある程度の情報共有が行われているはずだけど

念獣コール後の第八(サレサレ)以下の王子達の対応のなさを見るに、継承戦を臨む組織として機能していないということもありうる

現に第14王子ワブルの護衛も襲われていなければ、クラピカ以外のハンターは継承戦の存在を知らなかったわけですから。

・護衛と監視人のシステムを知らされていなかった。

上の可能性が薄いにしろ(念を知らないとは言え、ハンターを優先的に護衛募集にかけていたから、ハンターを厚遇している様子が見て取れる)

クラピカでさえも「護衛と監視人のシステム」を知らなかったので(オイトが知らなかったというのが大きな要因だと思うが)

もしかしたら、カキン王族の内部事情を詳しく知らされていなかったということもありうる

しかしオイト以外の王妃全員は監視のシステムを知っているので、当然第七王妃のセヴァンチは知っていることになる。でも監視人6人だけを残してモモゼを孤立させたりモモゼ自身にはそのシステムを教えていない様子なので、モモゼの警護兵として雇われたハンゾーが知らなかったということもありうる(それでもビスケ経由で知る機会はあると思うけど)

 

セヴァンチは第十三王子マラヤームを偏愛しているので、生存の可能性を高めるために護衛と積極的に情報共有してそうなんだけど(まぁ変な独断で、外部の護衛は信用できないとかなんとかで情報共有しないということもあるんだけど)

ハンゾーが上記2つを知っていたのなら、護衛6人残した時点で「モモゼがいつ死んでもおかしくない」ことは明白なので「俺がいたら止められた」って後悔するのは違和感がある。

 

・犯人は誰か

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

後ろ姿しか映っていませんが、髪型が見えているのでその形状から犯人を絞ることが出来る。

ラロックやナゴマムは髪がトゲトゲしているので後ろ姿と合致しない

タフディーも髪の両サイドがとんがっているので除外

ブラッヂも髪の中央からもっこり分けられているので除外

 

残るは『第2王妃所属ニペイパー』か『第1王子私設兵のビクト』

 

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

 

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ベンジャミン私設兵のビクトは常に白い軍服(カラーではないので白かどうかは分からないが)を着ているので

それを加味すると『第2王妃所属ニペイパー』が最も怪しいが

護衛の黒いスーツ事態は容易に用意できそうなので、白い服を逆手に取って犯行の時だけ着替えていることもありうる

 

つまるところ、この2人が怪しいわけだが

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オイトがゴキブリでモモゼの部屋に行ったタイミングでちょうど絞殺の瞬間ですから

(大体一分間で手遅れまで持っていけるので)その短い時間をたまたまゴキブリに合わせるのは偶然ではなく作為的なものだとクラピカは疑っている

こういう「漫画だから」で済ませられてしまう構図にもしっかり論理的な説明がある作品はいいですね。

 

まぁこれは暗に「14王室(クラピカの周り)に内通者がいる」ことを示唆しているのですが。

選挙編のツボネみたいに「本人が気づかないうちに情報が漏れている」みたいなパターンもあるので「誰かが内通者」という結果に必ずしもなるわけではないんだけど

具体的には、相手側もリトル(ゴキブリ)アイのような念能力でこちらの部屋を監視していたり(バビマイナが円貼ってるのにそれが出来るのかというのはあるけど)念能力じゃなくても普通に隠しカメラで盗撮されているとかね。

 

それを踏まえた上で、犯人がいると仮定するならば

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実行犯は「第二王妃所属ニペイパー」「第一王子私設兵ビクト」のどちらかだと仮定して

・「第一王妃(ウンマ)直属兵ないし第一王子(ベンジャミン)私設兵」と「第二王妃直属兵」は情報共有を行っている

つまり「無線等の連絡手段がある」ということなので、情報共有と建前でモモゼを殺すために悪用していて

この情報から

第一王子ベンジャミン私設兵であるバビマイナか第二王妃所属兵のスラッカが内通者である可能性が高い。

バビマイナは円を貼っていて部屋の中の人の動きを把握していて、ゴキブリで得た情報をノートに書き写すオイトを目撃している、何を書いているかは判断できないにせよページをめくるタイミングでゴキブリがどの部屋に行くのかを判断することができるので

 

普通に考えると

実行犯:ベンジャミン所属ビクト

内通者:ベンジャミン所属バビマイナ

である可能性が濃厚なんだけど

その推測を基準に「予想外な展開」を設定してるだろうな

と僕は思いますね。

 

だから僕的には

「第二王妃直属スラッカ」が内通者で「第二王妃直属ニペイパー」が実行犯

または「第二王妃直属スラッカ」から気づかれずに情報をえた「ベンジャミン私設兵ビクト」が殺しに向かった

という可能性がある。

 

ハンゾーの推測によると犯人は「分身」をつかったとされている

(自分も使えるなら、マラヤームを警護しながらモモゼに分身置いてりゃよかったのに)

    強化系

放出系     変化形

     発

操作系     具現化系

    特質系

ちなみにカストロは強化系(100%)なのに操作系(60%)具現化系(60%)を必要とする分身を使ったために、あの使い勝手の悪いスペックになっているのであって

特質系や操作、具現化系の能力者が分身を作るとさらに融通が聞くというロジックであって決してインフレではないんですね。

 

 

・モモゼは本当に死んだのか

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「モモゼが殺される時、ドーモくんは何をしていたのか」という問いに対して

ドーモくんが燃料切れを起こして、それを狙われたとされている。

 

 

 

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

モモゼの周りの6人の監視人がモモゼ暗殺を企むシーンで、ドーモくんが映るコマがあるんですが

これも横に線がはいって薄くなっている

これが「燃料切れのために消えかかっている」ことの描写ということになるのだろうか

でも僕が最初にこのシーンを見た時「ドーモくんが発現しているシーン」に見えたんですよね。

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コミックス35巻(推定):No.362「決意」

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コミックス35巻(推定):No.368「凶行」

これらのシーンを見ると、念獣が召喚されるときも線が入った薄いシルエットからズズズってな感じで具体化されるので

366話でドーモくんが映っていたシーンは「念獣発動」とも取れるんじゃないか

と僕は思います。

正直モモゼが死んでいたほうが物語がスムーズに進むのでそのほうがいいのですが。

 

仮に「念獣発動」だった場合

ドーモくんが犯人を頭おヒマにして操作して自分を殺したように見せかけた・・・

ドーモくんがこっそりクラピカたちの部屋を覗いていたか

上記のようにタイミングを図って殺しに来た監視人を操作すれば

ゴキブリが見たタイミングと同じになるというつじつまもあう

ただ、じゃあ国王軍が袋詰にした遺体はどうやって誤魔化す念という、大きな問題をクリアできそうな要素が見つからない限りは可能性はなさそうですが。

例えば、「分身を使う犯人の念能力」は「他人の分身を作って操作することも可能」なら、モモゼの分身を作ってそれを遺体に出来る。それをドーモくんを使って操らせた。とかだと可能っちゃ可能

 

だって王の器を自負しながら弟の赤ちゃんしばいたせいで燃料切れで死亡って、それじゃあドーモくんただの馬鹿じゃん

 

 

・"円"を解いた・・・!?

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これはバビマイナが心動かされたというよりかは、もともと王子や王妃に敬意を払っているからこその行動だと思うんですよね。

それよりも第一王子ベンジャミンへの忠誠心と任務の遂行を最重要視しているからという点と、軍あがり特有の気配りの粗暴さゆえに「敬意がないように見える」だけで

第五王子ツベッバ私設兵のマオールを部屋に招く時も、任務(監視)を優先して主導権を握らせないようにしたが「王妃の心痛をいたわれ」という指摘にはあっさり引いたし

ゴキブリ操作している証明のためにバビマイナが操作を指示するシーンでも「指に止めてみてくれ」とデリカシーに欠けた提案をしてみたり

無自覚的な無神経さゆえに「配慮に欠けた言動」があるものの、根底には「相手への敬意」があるので「王妃を労る行動」が明白な場合はその行動をとるくらいには敬意を持っているということではないだろうか。

 

また「他の王子を助けるため」なら「敵に能力を知られること(自分が不利になること)」は二の次であるという行動理念がオイトから垣間見えたことと「ゴキブリを操作しているのはオイトだという情報」を得たから、

クラピカ達は積極的に王子を攻撃する気はないということ

そして、ゴキブリを通して得られる情報と言うのは、ベンジャミン私設兵が第四王子(ツェ)以外の部屋に警護兵を投入しているのでわざわざ得る必要がない(既に得ている)し、いちばん重要な「オイトが念能力を使ってゴキブリを操作している」ことを手に入れたので、これ以上の詮索は無意味だと総合的に判断したのだろう。

 

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王妃のいろんな喜怒哀楽が見れて最高ですよ

 

クラピカは念の講習会の具体的な条件を設定する

・初回は明日の9時

・受講生は各王子につき2名のみ

・2週間で念を使えるようにする

 

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これをビルと話し合っている間に、激しい動悸によって倒れる。

動悸が始まったのが今回の話からなので後づけ感が否めない

 

・2週間で念を使えるようにする

この条件について第四王子ツェリードニヒは私設兵のテータに

「基礎でも早くても半年」という話と違うじゃねーかよとキレる

 

この差について解説すると

念(オーラ)は精孔(しょうこう)を開くことで念を発することが出来る

要するに、精孔を開いて念をコントロールする状態になることが「念習得」ということになり

その手段は大別して3つ

①座禅や瞑想を行いオーラの流れを体感しながらゆっくり開く

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コミックス6巻:No.48「ヒソカの条件」

ズシや今ツェリードニヒが行っている方法

このパターンでやると心身に大きな負担を伴わずに習得まで導けるため、安全だが時間がかかる

これが船内のハンターたちの言う「数年かかる」だの「半年かかる」に該当するわけですね

 

②精孔を外部の攻撃によってこじ開けて、念能力を「ムリヤリ開く」

これを行うと、すぐに精孔が開かれますが

攻撃を受けた時点で死んだり、心身が崩壊するリスク

精孔が開かれた後に「纏(テン)」を行い、漏れる念(オーラ)を体に留めないとオーラがダダ漏れになり、ガス欠で死ぬ。

つまり才能がなかったり念を想定した訓練(念を感じたり、纏の予行演習)をしていないと、上記の理由で死んでしまうので、時間的に余裕があったり安全で確実な方法をとる場合は①がセオリーなのだと思う

ウィング曰くこの方法は「外道な方法」

 

├ 念のスペシャリストの監督のもと念による攻撃を食らう

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コミックス6巻:No.48「ヒソカの条件」

ゴンやキルアがウイングに念を教わった時の状態ですね

念の師匠など、悪意のない念能力者が「殺さずに手加減をする」ことで成り立つ。

専門家が監修している分オーラの攻撃事態は安全ではあるがその後、精孔を無理やり開けられたことによる心身の異常や、「纏」に至れなかった際のオーラダダ漏れによって起こる生命の危機など①よりリスクがあるため

 

 

└ 敵の念による攻撃を食らう

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コミックス19巻:No.198「急襲」

天空闘技場で200階クラスにいた奴らやカストロ、キメラアントなどがこれに該当する。

この方法は明確な敵意を持った敵が「念による攻撃」を行うことで発現したり、念についての知識や経験のないものがそれを行うため「殺さずに手加減をする」ことが保証されないリスクがある。

念能力の習得過程で最も恐られるリスクである。

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コミックス6巻:No.48「ヒソカの条件」

天空闘技場編ではこのような過程(この界隈では”洗礼”と呼ばれていた)で念能力を得た者が200階クラスに現われるがいずれも四肢のいずれかに欠損があったりと身体に障害を持っている。

 

③そういう念能力

後述するクラピカの能力の副作用や、他にもそれに特化したものがあるはず

 

これらのことから、ツェリが①の方法で半日で凝に至りかけているのはとてつもない才能(悪く言えばインフレ)といえるが(ゴンキルは精孔を開いてから凝にいたるまで2ヶ月ほどかかっている)

ズシの習得過程の長さとクラピカの提示する念の習得期間の差はバトル漫画特有のインフレーションではない。

テータもこれをしっかり説明すれば理解はしてくれると思うんだが

 

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なので「テータの説明に嘘はない」ことは確かなのだが。

この血が念獣による攻撃なら「絶対に私のやり方が最も正しくかつ早道です」というワードにある「嘘」か「敵意」を察知する能力を持ち、条件反射的にカウンター攻撃を行う念獣なのかもしれない。

 

「嘘に反応する能力」なら面白いですけどね

クラピカの持つ

人差し指(相手の能力を奪う) → クロロと似ている

薬指(相手の嘘を見破る)   → ツェリと似ている

小指(ルール破ったら死)   → ツェリと似ている

と忌み嫌う敵の能力とかぶっている構図になる。

 

 

 

No.369「限界」(単行本未収録)

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限界 冨樫義博

あの・・・

作者コメントなのかサブタイトルなのかわかりにくい題つけるのやめてもらっていいですか

 

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寝ている間もオイトの横にイルカがついていて

(”エンペラータイム”!!12時間発動したままか……!!)

とあるので

{(60(s)✕60(m)✕12(h)}/24(h)で1800日

つまり約5年の寿命が縮んだことになります。

寿命っていうのがデスノート的な超常的な運命で定められた死のことを指すのか(死因はアトランダムだがこの時間に何かしらの理由で死ぬという運命的に定められた寿命)

テロメア細胞分裂の上限)が短くなることに起因する生物的な寿命(衰弱死、アポトーシスなどのプログラム細胞死等)

かがわからないので、この5年という数字がどれほど重いのかは分かりかねますが

漫画的にはこういう寿命を使う設定ってそれほど今後のシナリオ構築で枷にならないので手頃ですよね。どれだけ寿命縮んでも行き過ぎない限りは「200歳まで生きるから5年なんて大した事ねーぜ」と言えるわけだし

 

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コミックス13巻:No.124「9月7日①ー9月10日①」

でも命を削っているという観点で「クラピカの後先考えない部分」が出ちゃってる感はあります。

僕的には「寿命を削る制約」って言うのはありだと思いますね。

なぜなら死んでしまえば寿命もクソもないわけですから、極端な話あと一歩及ばず力尽きてしまうような場面に今後直面するという予想ができたのなら「その時死ぬ覚悟をするか」「寿命を削って回避するか」の二者択一だと思うんですよ。

だから寿命を削るというのは能力者として危険地帯に向かう者としては全然ありだと思います。

寿命を削ったおかげで今直面していた死から回避することができたという経験が一つでもあるだけで大きなリターンを得たことにわけですからね。

寿命をケチったために死ぬっていうのが一番勿体無い、弾幕シューティングゲームで抱え落ちするみたいな。

だから心臓バクバクで倒れることを考慮に入れなければ、寿命はわりと制約の中ではかなりコスパがいい対象だと僕は思いますね。

 

 

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これが3ヶ月連載したら9ヶ月休載する連載スタイルを読者に暗示していることになります。

 

なので、無理が効かないのをオイトに了承させ「敵情視察」の対象を第四王子ツェリードニヒに絞ることをオイトに支持しますが

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たまらないねぇ

クラピカが理屈をこねて弁解するけど、結局は「都合優先」が本音でしょうね。

「第一王子ベンジャミンは私設兵全員が念能力者で警戒レベルも高いので王室にアリ一匹通さないでしょう。警備力を確かめるためにあえて侵入するのもアリだが余裕がない」

逆にアリ1 "体" なら通れるでしょうが。

 

「第二王子カミーラが講習会に来ないのは警護兵全員が念能力をマスターしているから」

「偵察の機会すら放棄するのは、念能力で偵察可能か、第二王妃所属のスラッカの見張りで十分、全ての権限を握っている可能性もある」

 

「第三王子とは常にコネクションがある」

そこで情報がないうち一番上の王子は第四王子(ツェ)しかいないという内容だが

確かに

・ツェリードニヒ私設兵に念能力者が全くいない→講習会に来る

・私設兵に念能力者が少ない→同様にして戦力増強のため講習会に来る

・私設兵全員が念能力者→偵察のために来る

というふうに講習会に来る時点ではいずれの動機でも可能なので、ツェの情報が一番少ないということは理にかなっている。

 

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でも結局は論理的整合性より赤ちゃんがなびくかどうかで折れるからちょろいわ

このちょろさがたまらん

 

しかし、ツェ王室に侵入するまでもなく排気口に待ち伏せていたツェさんの念獣にゴキブリが食われる。

1ページ使って顔芸するのはこの念獣の制約の1つなのだろうか

この話のサブタイトルは

・クラピカの体力、念能力的な『限界』と

・オイトの精神的な『限界』、

冨樫義博の執筆上の『限界』や

・ゴキブリ活動の『限界』

と複数の事柄を意味しているのかもしれない。

結局、ゴキブリを通して全護衛の設定を後悔する展開になると思ったが、結局小出しにする感じですね。

 

367話で気づかれないようにゴキブリを探そうと努力したのに、護衛を集めた部屋でゴキブリを見つけるという、結局努力が水の泡になったり

367話でオイトが念能力を使っていることを巧みに隠したのに、368話でオイトが発狂したためにバビマイナに知られ台無しになるし

361話から小動物を使って各護衛を偵察しようとしたけど、結局大した情報を得られず台無しになるし

 

積み上げようとしたものがことごとく予想外の要因によって潰されるっていう、執筆上の「気まぐれ」な部分が出ている感じがありますよね

普通だったらトランプタワーを積み上げて積み上げてあと一歩ってところで崩れるみたいな展開になるじゃないですか。

話のテンポを重視しているのか(そうだとすると継承戦全体はものすごく長いことを意味します)単にすぐ壊したくなる『気まぐれ』なのか

気になるところではあります。

 

オイトが「私にも念能力を教えてくれませんか」と言ったことに対して

クラピカは「既に念を使える準備ができている」と答える

どうやら『絶対時間の人差し指』で奪った能力の使用権を移行させた相手は強制的に念が発現する様子

これが「念能力で2週間で習得可能」である大きな根拠だろう

誰かから能力を吸い上げて各受講生に能力を移行させて使わせる、そしてまた同じやつから能力を吸い上げて・・・っていうのを全員が発現するまで繰り返すというのは現実的ではない気がするが。

 

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講習会に来たのは、以下の面々

 

王子 名前 所属
第1王子ベンジャミン ヒュリコフ ベンジャミン 私設兵
第3王子チョウライ テンフトリ チョウライ 私設兵
第4王子ツェリードニヒ  ミュハン ツェリードニヒ 私設兵
  ダンジン ツェリードニヒ 私設兵
第5王子ツベッバ マオール ツベッバ 私設兵 隊長
  ロンギ ツベッバ 私設兵
第7王子ルズールス サトビ 第二王妃ドゥアズル 所属
第8王子サレサレ ムシャホ 第五王妃スィンコスィンコ 所属 兵隊長
第9王子ハルケンブルグ シェジュール  ハルケンブルグ 私設兵
  ユヒライ ハルケンブルグ 私設兵
第10王子カチョウ ユウリ 非戦闘員(使用人)
  ロベリー 非戦闘員(使用人)
第11王子フウゲツ ラジオラス 非戦闘員(使用人)
  イラルディア 非戦闘員(使用人)
第13王子マラヤーム ベレレインテ ハンター協会員
  バリゲン 第七王妃セヴァンチ

もともとこの部屋にいるやつ

第1王子ベンジャミン   バビマイナ   ベンジャミン私設兵
第二王妃ドゥアズル スラッカ ドゥアズル所属
第3王子チョウライ サカタ チョウライ私設兵
  ハシトウ チョウライ私設兵

 

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この、念能力者疑惑に関して

 

ハンター協会員 1人

王子の私設兵  11人

王妃所属の兵士 4人

非戦闘員    4人

 

だったので「王妃所属の兵士 4人」が無条件に怪しいのではないかという短絡的な推理をしてしまいましたが

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第七王妃セヴァンチ所属のバリゲン(13王子配属)の思考やクラピカの部屋で監視していた7人全員が念能力を使っていないことから、この考察は成り立たない。

 

なので一つ一つの人物にスポットライトを当てながら、是非を判定していく

 

 

第1王子 ベンジャミン 》

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366話でクラピカ達の能力を探るために機会を伺っていたヒュリコフを投入、もちろん彼も念能力を使えるので目的は監視。しかし隠している念能力者を4人(ハンター協会員は当然使えるので除く)いることを察する。

部屋にいるのは

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バビマイナとヒュリコフ。いずれもベンジャミン私設兵

念能力が使えるということが作中で明らかで「能力を隠している4人」には当然バビマイナを除外している(部屋に念能力者が4人いると気づいたのはヒュリコフだから)

なので当然念能力を隠している4人から除外

 

第2王子 カミーラ 》

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不在。

クラピカの予想では、彼女の私設兵全員が念能力を使え。既に第二王妃所属のスラッカが監視していてかつ他の偵察手段があるため、講習会に来る必要がなかったとされる。

第二王妃ドゥアズルがひかえめで第一王妃ウンマと手を組んでいたり、第二王子のカミーラが無茶なお願い(ハルケン殺せ)をしていたりで

ひかえめ→王子の言うことに逆らえない→一番年長のカミーラの言いなり

になっている可能性があるので

ドゥアズル所属の兵士がカミーラの意思を反映しているのかもしれない

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そういう意味ではスラッカがカミーラの手下といえるのかもしれない

カミーラは念能力および「念獣コール」に対して一切のアクションを起こしていないのでカミーラの息のかかった部下が念能力者である可能性は十分にある

 

第3王子 チョウライ 》

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クラピカ目当ての人間を監視するために一人派遣した。

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1、4、5を警戒している。

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コミックス35巻(推定):No.365「選択」

ちなみに365話でクラピカがチョウライの部屋に向かった時、扉の前にいたのが彼

 

 「王子私設兵は無条件で王子に協力する」ならば「チョウライが念能力を知らない(部下が誰も念を知らないと言っていた)」のは

チョウライ私設兵が全員念能力を知らない」といえるでしょう

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つまり部屋にいるサカタ、ハシトウ含め

3人全員は「4人」から除外してもいいでしょう

 

「王子私設兵は無条件で王子に協力する」という前提が崩れる何かがチョウライにあれば、話は変わってきますが。

 

 

第4王子 ツェリードニヒ 》

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ツェリードニヒ「約束の2週間で念を覚えられなかったら全員殺っていいよ」

ベンジャミンですら防衛権の行使で公的に殺そうとしたり、他の暗殺者も物証を残さず水面下で動いているのにツェさんはそんなことまったく考慮していないし

念能力使い複数相手に無能力者が本気で殺せると思っていたりいろいろ無茶苦茶な思考しとるよな

無知が罪だと体現していくスタイル

 

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コミックス33巻:No.348「覚悟」

33巻でちょろっと映っていた左から2番目と一番右の男ですね(中心はテータ、右から2番目はサルコフ)

画像の5人がハンター準会員試験に合格していて

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コミックス35巻(推定):No.365「選択」

365話ではさっきの画像一番左のキメラアントのパイクみたいな奴も王子居住区にいるので

ツェリードニヒの持つ準会員は全員自分の15人の従者に加えている。

つまり、王子居住区の隣りにある「準会員居住区」には彼の兵士が一人もいないことになる。

 

「王子私設兵は無条件で王子に協力する」という前提が崩れているのが彼、テータやサルコフには侮られている。

なので両者ともツェリには意図的に念能力を隠している可能性もあるが、362話でサルコフが「念能力を使えるのは施設兵の中でオレ達2人だけ(サルコフ、テータ)」と言っていたので、この2人もまた、除外してもいいだろう。

・2週間で念能力を習得できなければ暴れる

・370話で王子への忠誠心が垣間見える描写がある

という2点でミュハンは能力を持っていないにしろ

ダンジンが能力を持っていて何らかの理由で意図的に王子を初めとしてテータやサルコフにも能力を隠しているというパターンもわずかながらありうる。

 

第5王子 ツベッバ 》

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クラピカの頭脳を欲している。クラピカが不細工な女に好かれる構図ってなんか興奮するよね。

「衆人視」をあえて「衆人視」としているのはシャレでしょうか

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「王子私設兵は無条件で王子に協力する」という前提があるなら

チョウライ同様、念能力指南をクラピカに乞うて来たことからこの2人もまた「念能力を知らない」ものと断定していいでしょう。

 

 

第6王子 タイソン 》

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不在。

おそらく自分の兵に「変な虫がよってくる」のを避けたのだろう。

変な虫っていうのはゴキブリのことじゃなくてですね・・・

 

第7王子 ルズールス 》

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ドゥアズル所属の兵隊長ならカミーラに所属すると思ってたので以外

 

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ドゥアズル王妃所属兵隊長と書いているが

 

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

366話で登場した警護兵隊長 マンダム(ドゥアズル所属)

との違いは何なのだろうか

サトビは「ドゥアズル所属の兵隊のなかの隊長」で

マンダムは「警護兵隊長に選ばれたドゥアズル所属の兵」

だと僕は解釈しています。

 

カミーラの項目に書いたとおり、彼が念能力者である可能性は高い。

 

 

第8王子 サレサレ 》

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部屋から厄介払いされている、部屋から去れ去れってな具合に

扉の前に2人(365話)ですから彼を含めて3人、この3人はちょうど第五王妃スィンコスィンコが持てる兵隊の数ですから

おそらく残りの女性と●●●ために、部屋に残る1人を追い出したんでしょうな

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コミックス35巻(推定):No.365「選択」

多分365話に映っていたサレサレ室ドア前にいた警護兵と同一人物

 

彼に対しては情報がなさ過ぎるので、なんとも言えない

ただ僕的には4人の中に入ると思う。が客観的に見ればグレー

 

 

第9王子 ハルケンブルグ 》

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この手のハネって「手にハネが乗ってる」んじゃなくて「刻印」だったんですね

だとすればどの念獣でもありえるが、「王子の説く”覚悟の刻印”のマーク」らしいので

ハルケンで確定でしょうか

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会話の感じからして二人共能力は持っていないだろう。

 

ちなみに

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コミックス35巻(推定):No.362「決意」

362話で倒れている部下の左端から2番目くらいにいる

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こいつがシェジュールだろう

 

 

 

 

第10王子 カチョウ 》

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第11王子 フウゲツ 》

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なんで二人ともただの使用人を使っているのかはわからないが

彼女らなりの優しさなのかもしれんね

シマノみたいな有能を除けば、継承戦という性質上使用人は計略に翻弄されて殺されるのがオチですからね

僕的には講習会の安全上、センリツが受講生の思想チェックを行うべきで無理にでも来れるように誘導するのが最善だと思うんだけど

メタ読みをすると念能力使いの犯人探しの展開に持っていくためにわざと置いて行かれたのかもしれないね。

 

4人の候補からは言うまでもなく除外

 

第12王子 モモゼ 》

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不在。

14王室(クラピカのいる部屋)に念獣が現れて以降、ウンマ所属兵の存在自体が確認されていないのでベンジャミンが私設兵を投入した段階でウンマ兵と入れ替わっている可能性があります。

※そうだとしたら明記するはずだとは思うが

公的にはモモゼは死んでいる。

 

第13王子 マラヤーム 》

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ハンター協会員とセヴァンチ王妃所属兵を投入

つまりハンター協会員が「正しい念の教え方」をしているかチェックしながら

もう一人の警護兵に念を正しくマスターさせるという確実で慎重な選択。

こういう理性的なプレーを見ると、モモゼを計略的に見殺しにして発狂したのも計算ずくに思えるんだよなぁ

 

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このセリフからバリゲンには能力がない

ベレレインテはハンター協会員ですから念能力は当然持っていてヒュリコフも除外している。

 

これらをまとめると怪しいのは

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以上の面々。

中でもダンジンは可能性があるだけで蓋然性はほぼないと見ている。

なので実質ダンジンを抜いた3人になるわけだが、新たな判断材料が加わることで容疑者が増えることもありえるので何とも言えない。

例えば王子直属の私設兵は「王子私設兵は無条件で王子に協力する」ものとして、

王子が知らない→私設兵も知らない と断定しているので

例えば「チョウライ王子は私設兵によく思われていない」という情報が新しく追加されると、テータがツェリに対して念能力に関する情報をあまり与えないように立ち回っていたようなことが起こり「王子が知らない→私設兵も知らない」という図式が成り立たなくなる。

それらもあって、現段階では容疑者は3人だが

まだ調べていない領域が存在する。

元から14王子ワブルに使えていた者たちである

つまりは

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 ヒュリコフの観察では「ベレレインテが念能力を使えるのはハンター協会員だから当然だ」と4人から除外しているのでビルがそれに当てはまることはないとすると。

残るは「ワブル王子」「オイト王妃」「シマノ」の3人で

ワブルは論外

オイトはモノローグを見る限りなさそう、というので心理描写が一切描かれていないシマノも消去法的に怪しいことになる。

 

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つまり、僕の推測で行くとだいたいこの辺がそうでないかなと思う。

 

11人いる!(サイレントマジョリティー)の使用者に関しては

僕は(っていうイキリ面してるんだろうな…顔見なくてもこれみよがしのオーラで分かる)セリフの感じからスラッカだと思いますね。

 

犯人探し含めて能力名の元ネタになっているこの漫画の内容がヒントになりそう。

11人いる! (小学館文庫)

11人いる! (小学館文庫)

 

 

No.370「観察」(単行本未収録)

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 今回は内容が薄かったですね

タイトル「観察」とあるように、主人公格のクラピカとそれを近くで監視するバビマイナ(1ベン兵)、彼の仲間であるヒュリコフ(1ベン兵)と講習会に潜む「暗殺者」そしてそれぞれ王子や王妃の意思を反映した下っ端がそれぞれの目線で同じ景色を観察する内容だったのですが

そもそもその内容自体が神の目線である読者は全て知ってしまっているので

全てを知った上で間違った方向に考察が進んでるキャラクターを見てほくそ笑むという楽しみ方があると思うのですが、せっかくクラピカが策を講じて相手に能力を誤認させたのを前回の話で大分バラしてしまったために

読者と敵キャラの情報量というのがあまり差がなくなっていて「キャラクターの思考が80%に近づいていくの80%を知っている読者がただ見るだけ」という内容で僕的には退屈でしたね。

逆に読者の情報とキャラクターの情報が一切一致しなければ、神の視点を持つ読者がそれぞれのキャラクターの視点を照らし合わせて「たった一つの真実」を導き出していくといった楽しみ方ができるのに

休載前(年内に戻ってくるらしいが)の限りある一話をもっと大切に使ってほしい(切実)

 

まぁ大体読んだまんまの内容ですね

クラピカの

 

「お前の王子カスやな

 

 

 

 

って思われてもしょうがない言動はしないほうがええで^^:」

 

という小学生みたいな煽りに草生える

こういうミュハンみたいに最初に煽りにきた奴が煽り耐性低くてキレ始める光景よく見るよね

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王子の程度が知れるというところまで同意してそう

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どうやら、この「11人いる!(サイレントマジョリティー)」は誰かに憑依する

この場合はロベリー(10カチョウ配属)に憑依して

術者とロベリー(対象者)しか座敷わらしのような念獣(?)が見えない

対象者を起点として能力の条件や制約や範囲が決められるのだろうか

そうだとすれば、射程(ターゲット)の10人には

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中心のブスがロベリーなわけだが

起点(ロベリー)含めて10人(射程)なのか、起点を除いた10人なのか

後者なら10人目が左の方にいるマオール(5)か右後ろにいるベレレインテ(13)か手前にいるヒュリコフ()かで微妙なラインですが

前回の話との文脈的にはヒュリコフが10人目だと思います。

 

射程の10人と起点であるロベリーで「11人いる!」ということなのか、ロベリー含めた射程の10人と犯人で「11人いる!」なのかはわからないですが

後述の理由により、僕は前者だと思います。

 

座敷わらしの念獣を中心に右半分がターゲットということも考えられますが、そうするとロベリーを指定する必要性がわからなくなる。

能力を使った犯人を起点に10人射程で殺される被害者の位置関係から犯人を割り出すみたいな展開もあるかもしれませんが、後述の内容によってこれも低い

 

よって上図のように、ロベリーを起点に周りにいる10人が射程になる。と僕は結論づけました。

 

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コミックス35巻(推定):No.366「其々」

最初はスラッカの態度が気に食わなくて、肩を払っているのかと思いきや

同僚のヒュリコフに対しても同じ反応を見せていた。

まぁヒュリコフの態度も気に入らないというだけかもしれないが。

「王妃が念能力を使っている」という情報を伏せていたり(まぁオイトが念を使えるということが全てではないということに気づいていて、まだ調査段階だから誤情報が伝わらないよう慎重に立ち回っている可能性もあるが)

バビマイナ自身は独立した考えを持ってそうな感じが前回からありますね

(例えば、王子には死んでほしくない的な情をもっていたので他の王子の安否を優先するオイトに同情した。みたいな)

 

 

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2週間で念を使えるようにするという方法のうち、現時点で最も有力なのは

受講生に「人差し指の絶対時間」で能力の使用権を移行させて強制的に念を発現させるというものだが(前回のオイトのように)

その時のために予め「奪える能力者」を探してるのかもしれない。

だとしたら 王子の数✕2=26人 全員にこの方法を使うつもりだったのだろうか

✕2というのも「あまりに多くの兵に念を覚えさせると、逆襲されそうだから」という防衛上定めたものであって、本当はもっと多くいてもできる(最初は13人を想定していたっぽいが)ような様子なので

そこが解せない。

ビンセント(エアブロウの人)から能力を奪った時は「発動条件が不明瞭なので」条件を満たせないままいたずらに絶対時間を浪費するリスクを考慮して、能力をセットしあぐねている状況なのに、この自信はどこから来るのだろうか。

 

 

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そしてバリゲン(位置関係は上図)がまずは「リスク覚悟に殺る早めの一人」に選ばれてしまった。

 

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この死に方・・・

見覚えがありますよね。

 

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コミックス34巻:No.359「出航」

全部で4匹 1匹なら44秒で

 

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コミックス34巻:No.359「出航」

4匹同時に1人を襲えば11秒で全身の血を吸い尽くす

 

ようやく、つながってきましたね。

 

まず、考察する上で この能力の発動条件として

・誰か一人に憑依する (確定)

・術者と憑依された誰かしか能力が見えない (確定)

・憑依された誰かを起点として射程が決まる (推測)

・憑依された誰かが起点なので、遠距離から攻撃可能(推測)

 

 

という前提で話します。この前提(主に推測の部分)が覆されると、この考察は無意味なものになることに注意してください。

 

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コミックス34巻:No.360「寄生」

まず、360話にいたこの監視人2人のうちどちらかが「憑依された」と考えている。

 

それを起点に

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監視人の1人(ウッディ)と他4人が殺された(359話)

射程の10人は上の作画のもう1人の拘束されている奴(6人目)であとはサイールド、カートン、離脱した2人の使用人だろう

5人殺したので発動を解除した(半分殺せば制約がなくなる的な)

または殺す予定だった5人がドーモくん(念獣)に横取りされたか。

 

さらにもっとメタ的な読み方をすると、この能力自体後づけ(全身の体液を吸う能力までは考えていたが、細かい制約等が未定)だったから。

座敷わらしの念獣が「術者と起点の2人しか見えない」設定も、359話時点で一切描写がないことのつじつま合わせに見えた(僕には)

逆に最初から考えていたら、僕みたいな難癖(後づけや!)つけてくるやつが絶対に出てくるので、それを黙らせるために伏線は引くはず。という逆説的に後づけだと判断。

 

まぁそれはどうでもよくて

要は「どのタイミングで憑依したか」というところが重要なわけですよ

殺されたのは全員王妃所属の監視人ですから

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やはり、王妃所属の監視人と以前から接触できたこの3人。

 

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図1:14王室(クラピカのいる部屋)に配属されていた監視人の所属は1人も明らかになっていない

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図2:拘束された2人

 

・スラッカやサトビが暗殺犯だった場合

同じドゥアズル所属兵として接触する機会があった第14王子ワブル監視担当の仲間に憑依させ、遠距離から操作してワブルの監視を殺した。

図2のうちどちらかがドゥアズル所属兵ということになる。

 

・ムシャホが暗殺犯だった場合

同様にして、ワブル担当の味方に憑依させ監視を殺した

図2のうちどちらかがスィンコスィンコ所属兵ということになる。

 

僕的にはドゥアズル所属兵が怪しいですけどね。

あとは

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この内の誰か、ということになります。

いずれも、監視人が殺された時点で14王室にいて、念の講習会時点でも同室にいるキャラクター

ヒュリコフが言っていた「念能力を隠している4人」と「暗殺者」が一致するとは一言も書いていないので、念能力が使えることが明らかな

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ベレレインテも含む

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これはキャラの考察というより読者に向けてのルール説明的な側面があるので

ここは全面的に信用していいでしょう

 

よって

外部王子の念獣→ なし(0%)

 

【14王室】

ワブル王子 → 同上(0%)

オイト王妃 → 心理描写を見る限り無い(1%)

ビル    → 同上(1%)

シマノ   → 心理描写がないのでありうる(25%)

 

【元々念能力を使える】

バビマイナ  → 迎撃型らしいので見るからに暗殺用のこれには当てはまらない(0%)

ヒュリコフ  → 明らかに座敷わらしに気づいていなかった(0%)

ベレレインテ → セリフがオネェっぽいが、犯人の思考は男っぽい(10%)

 

【4人】

スラッカ → 上記の理由で濃厚(75%)

サトビ  → 同上(75%)

ムシャホ → 上記の理由だが、心理描写的に可能性は低い(10%)

 

%は適当、イメージで

という感じですね、シマノが犯人だった場合は

自衛のために監視人を積極的に殺害、監視人には室内で接触できる機会は十分にあった。

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コミックス35巻(推定):No.365「選択」

そしてこの時「生きたい」というわりには

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コミックス35巻(推定):No.361「辞退」

なんでこの時リタイアしなかったのか

というつじつまも合う形となる。

 

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つまり、僕の結論としてはこの3人がひじょーに怪しい。

まぁ新たな情報が追加されることで、容疑者のアヤシイ度は変わっていくので

あくまで現時点ではこうなんじゃないかという参考でお願いします。

 

 

 

今後の展開について

航海直後 開始セレモニー

2日目  ←いまここ

1週間後 晩餐会 ここで第八王子サレサレが「世界が変わる」何かを企んでいる様子

2週間後 晩餐会

3週間後 給油地点で船体の最終チェックを行う

     激しい天変地異や飛行生物の懸念される未開海域に突入

     晩餐会

4週間後 晩餐会

   │

8週間後 晩餐会

2ヶ月後 新大陸(暗黒大陸ではない)到着

     上陸セレモニー

 

まあ序盤だからかなり細かく描写して、中盤になると日にちが一気に飛ぶみたいな展開になりそうですが

このペースが続くと、連載数の制約もあって決着が何年後になることやらという恐怖も醍醐味の一つですね

 

『今後の展開に関わってきそうな要素』

・1層にビヨンドとともにいるサイユウを十二支んは上陸間際に捕らえようとしている

・3層以下では上船客が暴動を起こしそうな状況

・3週間後には未開海域に突入し激しい天変地異や危険な生物が船を襲う

・サレサレが「次の晩餐会世界が変わる」と言っている

・クロロを初めとした幻影旅団が王子の宝を盗みに潜入している

・クロロを殺しに、旅団の戦力を削ぐヒソカ

 

・第一王妃ウンマの消息

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ベンジャミン(1)やツェリードニヒ(4)の母で、第一王妃と重要な立ち位置だが

クラピカたちを監視していた7人の中に彼女の所属兵がいるという情報しかなく

彼女はもちろん、所属兵すら出てきていない状況で

一切が謎に包まれている。

今後どう関わってくるのか

 

・第二王子カミーラの従者

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これもまた現段階で一切が謎に包まれている

唯一ベンジャミンが派遣したムッセがカミーラの会話から「王子殺しの証拠」を見つけようとしているということがわかるのみ。

 

 

・現時点で誰がリードしている?

こういうデスゲーム系だと目に見えて主人公が不利!という展開になりがちで

「いかに不利か」というのがゲーム内のポイントなどで数値化して見えるようにして「不利さ」を表現するデスゲームが多い印象ですが

この王位継承戦においては、誰が有利か不利かというのが非情にわかりにくくなっております。

例えば、15人しかいない護衛の内クラピカ達は序盤で7人失いましたが、それがスパイだとわかったのでむしろ得をしたという見方もできるわけです。

相手の護衛を何人か殺したとしても、それが他の王子の監視人(スパイ)だったとしたら相手の利益になるからですね。

逆にスパイがいたとしても、偽物の情報を掴ませることができれば相手は情報戦において不利な状況に追い込むことも可能なわけです。

そんなこんなで「相手の護衛を殺したから」勝ってる、「強力な念能力を持っているから」勝ってるとはならないのがこのデスゲームの特徴です。

 

しかし、ゲームの終盤ではバトル漫画という性質上、必ず「強いもん勝ち」みたいな状況になると思うんですよ。

ヒソカvsクロロ戦も試合にはクロロが勝ったけど、その後何でもありになったらヒソカがやりたい放題してるみたいな「秩序の崩壊」があると思うんですね。

その具体的な展開については

ハンタの王位継承戦を解説② ~王位継承にまつわる設定 - はなくそモグモグ

を参照していただければと思うのですが

・下層の暴動が1層まで及ぶ

・船がひっくり返る

・全王子の護衛が全滅した時

など、理由はともかく焦点は「何でもありになった時」に

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 元々王子の従者は15人しか乗船させられませんでしたが、従者としてではなく「準会員(暗黒大陸組)」として乗船すれば、かなり王子居住区に近いところで待機することができるので

準会員を持っている王子が、最終的に何らかの形で王子居住区に襲撃してくるという可能性が十分にある

そのとき私設兵を持っている。

 

第一王子ベンジャミン : 傲慢なので受けなかった(準会員居住区に0人)

第二王子カミーラ   : 不明

第三王子チョウライ  : 不明

第四王子ツェリードニヒ: 5人受かったがいずれも15人に加えている(準会員居住区に0人)

第五王子ツベッバ   : 不明

第六王子タイソン   : 受けなかった(準会員居住区に0人)

第七王子ルズールス  : 全員落ちたとされている(準会員居住区に0人)

以下の王子 : 多分受けてすらいないのでは

 

 彼らの内、カミィ(2)とチョウライ(3)ツベッバ(5)が準会員居住区に王子を忍ばせている可能性が高いが、そのうち

チョウライとツベッバは念能力を知らなかったので、準会員にいる彼らの私設兵はたかが知れている

すると「念能力を知っていて」「護衛が念能力者の確率が高く(講習会に来なかった)」「準会員に兵を待機させている」

カミーラの軍事力が、現段階ではトップなのでは?と思う

まぁいずれも作中で明言されていないので憶測にすぎないのだが(最初2つはクラピカも言及していた)

 

一位 カミーラ(2)

護衛がすべて念能力者である可能性が高く、準会員居住区にも何人かの兵がいる可能性がある

 

二位 ベンジャミン(1)

護衛が全て念能力者、準会員居住区に私設兵は1人もいないが、王立軍の顧問としての立場から彼の兵士にいくつかの特権が与えられている。

自身も念能力を使えることから自身に満ちていて、積極的にゲームに参加している。

 

三位 マラヤーム(13)

ビスケ、ハンゾーというハンターの中でも上位に入る念能力者を初めとして

モモゼから剥奪した警護兵を加えてかなりの大人数になっている。

単純なパワーバトルでは最強のチームなのでは?

 

と言った具合でしょうか