はなくそモグモグ

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FF7の正ヒロインがエアリスである客観的な理由

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まぁ僕はジェシー派なんですけどね、もっと言えば女装クラウドなんですけどもね。

この議題自体がかなり争いを生むというか正直個人的な好みの問題の域を出ないものだと思うのですが、先日Switchで格安でセールしてたDL版でシナリオクリアした際にガキンチョのときに抱いた印象とはまた違う視点での発見があって、今回はその中の一つである「ティファ」と「エアリス」どちらが正ヒロインなのか。ということについてできるだけ客観的に列挙できたらなと。

何度も言いますが僕個人的な意見としてはティファでもエアリスでもどっちでもいいです。

 

あと、物語の確信に触れるネタバレがあるので注意してください。

 

FF7という作品としてのヒロイン

FFVIIの有名なオープニング

FFVIIのエンディング

 

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オープニングとエンディングで似たような構図になってますが、ミッドガルの路地裏でなんか魔晄が漏れているみたいなところで祈っているオープニングから、エンディングではホーリーとともにエアリスの願いのようなものが星に届いたよという演出で最後を飾っています

つまりFF7という作品はエアリスで始まり、エアリスで終わるわけですね(厳密にはラストはレッドXIIIの子孫みたいなのが走ってる500年後のシーンですが)

このことから、FF7という作品を通してのヒロインがエアリスであるということには異論の余地はないのでしょうか。

エアリスは物語を回すキーパーソン的設定がてんこ盛りですが、対するティファはセフィロスの被害者という関係性以上の物語における重要な設定を持ちません。

ですがこの記事の定義する「正ヒロイン」というのは、主人公であるクラウドを視点としたヒロインなので、物語上のキーパーソンとしての視点は一旦置いておきます。

 

・二人の相違点

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二次創作や派生作品、コラボ等でティファはこういう見た目もあってか快活なキャラクターとして描かれがちですが実はキャラコンセプトは逆で、軽装で運動ができるティファは活発に見えて実は優柔不断で踏ん切りがつかないことが多く、パット見の印象はおとなしそうな格好をしている(ティファの露出度がおかしいだけなんだけど)エアリスは自分の心情を表に出して積極的にキャラクターを振り回すことが多い。

ティファとエアリスは、見た目とは反対の性格をつけようとしています。絵だけを見るとティファのほうが元気がよさそうですが、
実際はエアリスのほうがイケイケというか場を仕切る女性なんですね

 

 といった開発のコメントからもわかるとおり、この部分ははっきりと描かれています。

 

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ティファ
「……クラウドがいれば全部解決するような気がする」
クラウドがね……」
いつもそうしていたみたいにちょっと気取ったポーズで言ってくれるの」
「だいじょうぶだよ、ティファって」

 

ティファはクラウドに頼る部分があり

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エアリス
セフィロスのこと、わたしにまかせて」
「そして、クラウド

 自分のこと考えて」
自分が壊れてしまわないように、ね?」

エアリスは逆に一人で突っ走っていく側面があります

 

どちらも主人公が助けに行くことになるという面ではシナリオの展開は同じになるのでコレ自体はどうということはないのですが

 

序盤のエルミナの家でクラウドがベッドで寝転がった時の回想、またミッドガル脱出後のクラウドの回想では、ニブルヘイムの自宅で母親と会話するシーンがあります

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「あんたにはねぇ……」
「ちょっとお姉さんで あんたをグイグイ引っ張っていく」
「そんな女の子が

 ぴったりだと思うんだけどね」

年齢はFF7のシナリオ時点で

ティファ 20歳

クラウド 21歳

エアリス 22歳

となっており、エアリスが「ちょっとお姉さんでクラウドをグイグイ引っ張っていく」という条件を満たしています。

ティファはクラウドより一歳年下で、グイグイ引っ張っていくよりかは引っ張られたいという側面があるので対照的です。

 

・じつは、はじめはエアリスだけで、ティファはいなかったんです。

「じつは、はじめはエアリスだけで、ティファはいなかったんです。
ある日曜の夜、ディレクターの北瀬さんに電話して
『エアリス殺しましょう、ティファ出しましょう』と提案しました(笑)。
ヒロインがふたり登場し、片方が死んでしまうというタイプのものがなかったので」

 

ファイナルファンタジー7 解体真書より

『エアリス殺しましょう、ティファ出しましょう』で有名な野村哲也氏のコメント。

そのフレーズに関しては誤解を招く切り取られ方をしたと度々弁明しているので、真偽は不明(本当に意図した発言ではなかった可能性とバッシングを受けたので意図した発言ではなかったということにした可能性のどちらであるかを検証できないため)なこのコメントには言及せず、僕が注目したのは「じつは、はじめはエアリスだけで、ティファはいなかったんです。」という箇所。

この文言に対しての撤回がないので、ここは真と見ていいのではないでしょうか。

そしてその背景を裏付けるものとして、前述したエアリスが物語的に重要な設定がてんこ盛りなのに対して、ティファの物語における重大な役割ほとんどないということから伺い知ることができます。

まぁこの辺の話は、FF7のいくつかの物語や設定がミックスされているという別の仮説の話になってくるのであまり掘り下げませんが

とりあえず、初期の構想ではエアリス単独ヒロインだったという事実があるということです。

 

・最も大切なものを失う

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Disk1でセフィロスを追ってる中でゴールドソーサーという娯楽施設の中で出会ったケット・シーとの会話イベント

ケット・シー
「ヘイ・ユー!!

 暗~い顔してますな~」
「どうですか~?

 みなさんの未来占うで~」
「明るい未来、ゆかいな未来!

 あっ、ひさんな未来が出たらかんにんしてや~!」
「あらら、すいません! 

 ボクは、占いマシーンです。名前は……」

 

<名前入力イベント>

 

クラウド
「占うのは未来だけか?」

 

ケット・シー
「バカにしたらあかんで!

 失せ物、失せ人 なんでもございや!」

 

クラウド
セフィロスという男はどこにいる?」

 

ケット・シー
セフィロスですな!」
「ほな、いきまっせ!!」

 と言って2回ほどトンチンカンな占い結果を出したあと、クラウドが「……もういい」といって立ち去ろうとするのを「もっぺんやらして!」と最後に出したのがこの

「求めれば必ず会えます。しかし最も大切なものを失います」

 という意味深な占い結果が出ます。

最も大切なものというのが「エアリス」なのか「ソルジャーとしての誇り」なのかは定かではないが

一応設定上は本物のセフィロスに合う竜巻の迷宮でクラウドは完全に自我を失っている。エアリスを殺したのはそれよりも前の忘らるる都でのジェノバ・LIFEなので

「求めれば必ず会えます。しかし最も大切なものを失います」

という占いを同じ瞬間だと解釈するならクラウドの失うものは「自身のアイデンティティ」と言うことができ、「結果として会えるけどその時には大事なものを失ったあとだよ」と解釈するなら最も大切なものは「エアリス」と言えるだろう。

 

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クラウド
「……だまれ」
「自然のサイクルも

 おまえのバカげた計画も関係ない」
「エアリスがいなくなってしまう」
「エアリスは、もうしゃべらない

 もう……笑わない 泣かない……怒らない……」
「俺たちは……どうしたらいい?」
「この痛みはどうしたらいい?」
「指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ!」

 

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クラウド
「……エアリス。エアリスはすでにホーリーをとなえていたんだ」
「……俺がセフィロスに黒マテリアをわたしてしまったあと…… 夢の中のエアリスの言葉……」
セフィロスを止めることができるのはわたしだけ……その方法が、秘密が ここにある……そう言ってたんだ」
「それがホーリー…… 自分が持っている白マテリアの意味。白マテリアを自分が持っている意味。自分がすべきこと……エアリスはここで知った」
「エアリスは俺たちに大きな希望を残してくれた。けれども、それはエアリスの命……エアリス自身の未来とひきかえに……」
「ごめんよ……エアリス。もっと早く気づいてあげられなくて」
「……一言も言葉をかわすことなく 俺たちの前からいなくなってしまったから…… 突然だったから、俺は何も考えられなくて……」
「だから気づくのが遅れてしまった…… でも、エアリス……俺、わかったよ」
「エアリス……あとは俺がなんとかする」

 

バレット
「俺・た・ち・っていえよ!」

エアリスが死亡したイベントでは「俺たちは……どうしたらいい?」と仲間の問題として捉えていたが、物語終盤では「エアリス……あとは俺がなんとかする」と個人的な問題としての気持ち大きくなっていた。


FF7本編の二年後として描かれた映画アドベントチルドレンでは星痕症候群にかかり死を受け入れたクラウドが仲間の元を離れ、エアリスのいた教会に住み着いていたりと

「最も」かはわからないですが、「大切なもの」であることは自明ではないでしょうか。

 

・好感度

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仲間になるキャラクターのうち、ティファ、エアリス、ユフィ、バレットにはそれぞれ好感度という隠しステータスが存在し、会話の選択肢や、イベント毎に誰に一番最初に話しかけたかなどによって好感度が上下する。

二回目?のゴールドソーサーに入ってキーストーンを入手したあと、この隠しステータスが一番大きいキャラクターと一度だけデートイベントが発生する。

そして、好感度の初期値はそれぞれ

エアリス 50

ティファ 30

ユフィ  10

バレット 0

 

となっている。

各イベント上で選択肢が提示される機会は一度きりなので、ギャルゲーのように不可逆的に分岐してしまう。

好感度の変数自体の値域は0~255を取るが、そもそも好感度上下に関するイベントが有限であるため、キャラクターによって異なる最低値と最大値が決まっている。

しかしティファの場合、序盤のミッドガルにて神羅ビル突入時独房に拘束されるイベントでは

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ティファ
「ヒソヒソ(逃げられるかな?)」

 

選択肢

【俺にまかせておけ】

【ちょっとキビシイな】

 

【俺にまかせておけ】を選択した場合

 

ティファ

「ヒソヒソ(クラウド、たのもしい!)」

 

※ティファの好感度が1上昇

 

【ちょっとキビシイな】を選択した場合

 

ティファ

「ヒソヒソ(弱気にならないでよ!)」

 

※ティファの好感度が1低下

 

この会話が無限に行えるのでティファの好感度操作は簡単にできる。

 

以下の解説はwikiを参照した。

参照リンク:システム/【好感度】 - ファイナルファンタジー用語辞典 Wiki*

 

エアリスの好感度は

最大値:95 最低値:16

上昇する可能性があるイベントは15、内必須イベントが9。
低下する可能性があるイベントは9、内必須イベントが3。

 

「好感度が上昇する可能性があり、低下する可能性はない」必須イベントが6もあり、
また、好感度が低下する可能性があるイベントはすべて好感度が上昇する可能性があるイベントと重複しているので、
好感度が低下しづらく上昇しやすい。

 

ティファの好感度は

最大値:85(255) 最低値:5(0)

上記の神羅ビルイベントでの無限会話を行えば変数自体の値域である「最大値:255 最低値:0」に調整できる。

上昇する可能性があるイベントは18、内必須イベントが7。
低下する可能性があるイベントは10、内必須イベントが3。

 

エアリスよりも好感度上昇イベントが多いが、必須イベントに限るとエアリスと同じくらいに収まる。
エアリス以上に好感度が上昇する可能性があるが、その機会をものにできるかはプレイヤー次第。
全体的にはエアリスと同様、好感度が低下しづらく上昇しやすい。

 

基本的には、好感度上下を意識せず普通にプレイしていればエアリスの好感度が最大になりがちであるから、通常プレイではエアリスとのデートイベントが発生するようにデザインされている。

好感度の初期値ではエアリスのほうがティファよりも高く、神羅ビルでの好感度無限上昇を使わない場合の好感度の最大値もエアリスのほうがティファよりも高く、また好感度の無限低下を使う使わないに関わらず好感度の最低値はティファのほうがエアリスより小さい。

 

初期値、最大値、最低値どれをとっても、エアリスのほうがティファよりも高感度が高い。

 

 

・俺が

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エアリス
「わたし、べんきょうしちゃった。長老さんに教えてもらったの。いろいろ」
「セトラのこと……約束の地のこと……」
「わたし……ひとりだから……

 ひとりだけになっちゃったから……」

 

クラウド
俺が……俺たちがいるだろ?」

 

エアリス
「わかってる。わかってるけど……セトラは……わたしだけなの」

 

クラウド
「俺たちじゃ、力になれないのか?」

この手の慰めの言葉をかけるシーンでは、好感度の左右する選択肢になりがちですが

エアリスに対してはプレイヤーの意に反してクラウドが勝手に慰めの言葉をかけます

まぁメタ的な見方をすると、これもヒロインがエアリス一人だけだったころの名残だと思いますが。

 

 

・ケット・シーの占い

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先ほど紹介した、「求めれば必ず会えます。しかし最も大切なものを失います」もそうですが、ケット・シーの占いではさらにダイレクトに二人の関係について言及しているシーンがあります。

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エアリス
「そうだ! ねえ、うらなってよ」

 

ケット・シー
「そうやな~。それも、ひさしぶりですねぇ」
「わくわくしますなぁ~

 当たるも~ケット・シー

 当たらぬも~ケット・シー」
「ほんな、なに占いましょ?」

 

エアリス
「そうねえ……。クラウドとわたしの相性!」

 

ケット・シー
「そりゃ、たこうつくで。デート1回やね!」
「ほんな、やりまっせ!」

 

……

 

ケット・シー
「こりゃあかんわ

 ちょっと、言えませんわ」
「ティファさんにわるいわ」

 

エアリス
「ダメ! 教えて!」
「ぜっ~たい

 おどろかないから」

 

ケット・シー
「そうですか?

 ほんな、いいますよ」
「ええかんじですよ。おふたりの相性、ぴったりですわ!」
「エアリスさんの星と

 クラウドさんの星!

 すてきな未来が約束されてます!」
クラウドさん

 ボク、司会でも仲人でもスパイでもなんでもしますわ~」
「そんときには

 きっと、よんでくださいね」

「ティファさんにわるいわ」という言動から「占い結果は微妙だったけどエアリスを喜ばせるために嘘をついた」という線は消せます。

まぁメタ的な見方をすれば死亡フラグとも取れるわけですが、このように設定上ではクラウドのヒロインはエアリスであるということが言えるのではないでしょうか。

 

・二人のもつクラウド

 ここまででは設定や物語の展開がクラウドのヒロインがエアリスであることを状況証拠的に外堀を埋めていることを明らかにしました。

そしてここからは二人の内面にさらに切り込んで行きたいと思います。

この作品を一周するだけでは二人の内面を完全にうかがい知ることはできません、デートイベントでもシナリオを一周するだけでは一人のキャラクターの告白しか聞くことができないのです

しかしプレイヤー視点ではその平行世界線上にある二人の本音が聞けるわけですね。

そしてそのデートイベントこそが、このヒロイン論争の核となる要素が詰まってると僕は考えています。

 

・ティファ視点

 

ティファ
「2人おねがいします」

【係員】
「はい、お2人様ですね」
「では、ゴールドソーサーの景色をごゆるりとお楽しみ下さい」

 

……

 

ティファ
「わあ、きれい」

 

ティファ
「ねぇ、クラウド見て」

 

ティファ
クラウド、ほら」

 

ティファ
「……きれいね」
「……言っちゃおうかな」

 

クラウド
「……何を」

 

ティファ
「エアリスなら、きっとハッキリ言うんだろうな」
「あのね、クラウド
「幼なじみってむずかしいよね」
「タイミング、むずかしいのよ」

 

クラウド
「はぁ……」

 

ティファ
「あのね、クラウド
「私ね……」
「………………………………」

 

……

 

ティファ
クラウド

 今日は楽しかったわ」

 

クラウド
「そういえば

 さっき何を言おうと…」

 

ティファ
「な、なんでも!」
「なんでもない…」

 

クラウド
「?」

 

ティファ
「あっ、もうこんな時間

 そろそろもどりましょう」

 

ここで言えなかったことが「クラウドの真実」だという説を唱える人がいますが「幼なじみってむずかしいよね」というセリフからその線は消えると僕は考えています。

このイベントを見ればティファもヒロインぽく見えますが、この会話のなかでもすでに違和感のあるポイントがあります。

それはティファのいう「幼馴染」というワード

 

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ティファ
クラウド、おねがい。力をかして」

 

クラウド
「ティファ……わるいけどさ」

 

ティファ
「星が病んでるの。このままじゃ死んじゃう」
「誰かがなんとかしなくちゃならないの」

 

クラウド
「バレットたちがなんとかするんだろ?

 俺には関係ないさ」

 

ティファ
「あ~あ!

 本当に行っちゃうんだ!」
「かわいい幼なじみのたのみも

 きかずに行っちゃうんだ!」

 

クラウド
「ん……?」

序盤の魔晄炉爆破ミッションを成功させ、用は済んだとアバランチを去ろうとするクラウドに対してのティファの言葉。

 

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エアリス
「……ティファ、さん」
「はじめまして。わたし、エアリス」
「あなたのこと

 クラウドから 聞いてるわ」

 

ティファ
「……あなたは?」
「あっ、公園にいた人?

 クラウドといっしょに……」

 

エアリス
「そ、クラウドといっしょに」

 

ティファ
「そう……」

 

エアリス
「安心して。少し前に知り合ったばかりよ。なんでもないの」

 

ティファ
「安心って……何を安心するの?」
「ああ、かんちがいしないで」
「私とクラウド

 たんなる幼なじみよ。なんでもないの」

 

コルネオの館で初めてティファとエアリスが会ったときの会話

他にもミッドガルに住む知る人ぞ知るジョニーにもティファはクラウドのことを幼馴染として紹介していたり、クラウドのことを幼馴染として認識?紹介しているが

クラウドの精神世界のイベントでは

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ティファ
「この日、クラウドが初めて私の部屋に?」
「……そうだったよね」
「家は近所なのに、私……クラウドのこと あまり知らなかったんだよね」
「ずーっと小さなころから仲良くしてたと思ってたのに……」
「そういえば……クラウドが私の部屋にいる風景って記憶に……ない」
いっしょに遊んだ記憶も……ない。私のクラウドとの思い出は

 いつでも星空の給水塔が始まり……」

 時系列上では、

・ティファの母が死ぬ

・ティファが母に会いたいとニブル山を越えようとする

・仲良し3人組は先に帰る、クラウドとティファが山を越えようとしてティファが崖から落ちる

クラウドはティファの父に誤解される

クラウドは悔しさと自分への無力感で強くなろうと喧嘩に明け暮れる

・給水塔にティファを呼び出してソルジャー宣言

 

 クラウドの精神世界のイベントではティファがニブル山を越えた時のクラウドとの記憶がなかったと明言しており、さらに一緒に遊んだ記憶もないと言っている

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クラウド
『給水塔にティファを呼び出したあの夜も 俺は考えていた……』
『ティファはきっと来てくれない……

 こんな俺のことなんか嫌ってるって』

 

ティファ
「そう……あのときは突然だったね。私も……ちょっとビックリした」
「でもね……」
「たしかに私たちはそれほど仲良しじゃなかったけど……」
クラウドが村を出てからは あなたのこと、ほんとによく考えたのよ」
クラウドはどうしてるかな?」
クラウドはソルジャーになれたのかなって」
クラウドの記事、のってるかもしれないから 新聞だって読むようになったの」

 つまり、ティファの記憶上ではクラウドは近所のほとんど面識のない男の子で、急に給水塔に呼び出されて会話しただけの思い出に過ぎないわけです。

ではなぜ、たった数回会話しただけの人間を「幼馴染」として表現したのか。

 

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 時系列は交錯しますが、これはセフィロスを追いかけて初めてコスモキャニオンについたときのシーン

ティファ
「ねえ、クラウド
「たき火って不思議ね」
「なんだかいろんなこと 思い出しちゃうね」
「あのねえ、クラウド。5年前……」
「……ううん」
「やっぱりやめる。聞くのが……怖い」

 

クラウド
「なんだよ」

 

ティファ
クラウド……どこかに行っちゃいそうで……
クラウドは……本当に 本当にクラウド……だよね」

 

そして、クラウドの精神世界のシーンでは

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ティファ
「ちがうの、クラウド
「言葉にすると……恐ろしいことになりそうでずっと隠してた」
「でも、今は隠さずに言うね」
「あなたはいなかった。クラウド、5年前、あなたはニブルヘイムには来なかったのよ」
「私……待ってたのよ。でも、クラウドは……来なかった」 

 ティファのいう「恐ろしいこと」とは「クラウドがどこかにいってしまう」こと。

それは物理的な話でもあり、精神的な話でもあります。

先程引用した画像のように、クラウドが仕事は終わったとアバランチを抜けようとする時に「幼馴染の約束を反故にするんだ?」と引き止めようとしたり

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クラウド
「何をそんなに恐れているんだ?

 俺のことならだいじょうぶ」
「俺はどんなに混乱していてもセフィロスの言葉なんて信じない」
「たしかに俺は自分自身がわからなくなることがある」
「記憶だってあやふやな部分がたくさんあるんだ」
「でも、ティファ」
「ティファは言ってくれただろ? 『クラウド、ひさしぶりね』って」
「ティファのその言葉が

 いつでも俺をささえてくれる」
「俺はティファの幼なじみなんだ。俺はニブルヘイムのクラウドなんだ」
どんなに自分がわからなくなっても

 それだけは真実

 クラウドが自分のアイデンティティを見失う時に、自分を見出す指標になったり。

「幼馴染」という言葉はティファにとって、クラウドを精神的にも物理的にも自分との繋がりを保つことのできるマジックワードということです。

では、なぜティファはクラウドを繋ぎ止めようとするのか。

そこがティファの抱くクラウド像の本質なのです。

 

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クラウド
「ティファはどうする?」

 

ティファ
「忘れちゃったの?」
「私……ひとりなんだもん。どこにも行くところがないんだもの」

ラストダンジョン突入前に、クラウドが仲間達に対して「自分の守りたいもの、大切なものを再確認してこい」と故郷へ帰れと演説するシーン。(僕はこのシーンが一番好きです)

仲間達は、全員去るがティファとクラウドだけが残ってしまう(ヴィンセントはどこに行ったんだろう)

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ティファ
「みんな、行っちゃったね……」

 

クラウド
「ああ、俺たちには帰るところも待っていてくれる人もないからな」

 

ティファ
「そうだね……」
「でも……。きっと、みんな……もどって来てくれるよね?」

 

クラウド
「さあ……。どうかな……?」
「みんなそれぞれ、かけがえのない大切なものを抱えてるし……」
「それに今度ばっかりは、相手が相手だ……」

 

ティファ
「うん……。それでも私……平気だよ。たとえ、だれももどってこなくても」
クラウドと一緒なら……クラウドが、そばにいてくれるなら…… こわくても……負けないよ、私……」

ティファにとってはクラウドという存在は「故郷で過ごした人間の唯一の生き残り」なわけです。

一応ティファの師匠であり当時ニブルヘイムにいたザンガンという人物が生きているということをティファの部屋にある置き手紙で知ることができるが、ザンガンはニブルヘイムの住民ではなくたまたまその時に停泊していただけの旅人であり、神羅とは関わりたくないということでティファに会う意思がない。

つまり、ティファにとってのクラウドは「自分の心の拠り所になるただ一人の生き残り」であり、クラウドにとってのティファは「自分のアイデンティティを保証してくれる証人」として共依存の関係なのです。

そこに恋愛感情がないと言い切ることは難しいですが、この会話の後ではティファの好感度次第では二人が一線を越えることを示唆するイベントが発生しています

ちなみにティファの好感度が50以上かそうでないかで分岐しています。

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 ティファ
「うん……。それでも私……平気だよ。たとえ、だれももどってこなくても」
クラウドと一緒なら……クラウドが、そばにいてくれるなら……

 こわくても……負けないよ、私……」

 

クラウド
「…………。ティファ……」

 

ティファ
「私たち……これまで

 ずっと遠く、はなればなれだったんだね。たとえ、どんな近くにいても……」
「でも、ライフストリームのなかで

 たくさんの悲しい叫びにかこまれた時

 クラウドの声が聞こえたような気がしたんだ……」
「クスッ……。クラウドは知らないって言うかもしれないけど……」
「でも、胸のずっと奥の方で

 あなたの声が私の名を呼んでる……。そんな気がしたんだ……」

 

クラウド
「ああ……。あのとき俺にもティファの叫ぶ声が聞こえたよ」
「ティファの声が

 ライフストリームの意識の海から俺を呼びもどしてくれたんだ」
「約束したもんな。ティファになにかあったらかならずかけつけるって」

 

ティファ
「ねえ、クラウド……。私たちの声を、星たちも聞いててくれると思う?」
「がんばってる私たちの姿を見ていてくれると思う?」

 

クラウド
「さあな……。でも……」
「だれが見ていようといまいと

 とにかく、できることをやるだけさ。自分自身を信じて……」
「ライフストリームのなかでティファにそう教えられたよ」

 

ティファ
「うん……そうだね……」

 

※ティファの好感度が高い場合

 

クラウド
「なあ、ティファ……。俺……。ティファに話したいことがたくさんあったんだ……」
「でも、今こうしてふたりでいると

 本当はなにを話したかったのか……」

 

ティファ
クラウド……。想いをつたえられるのは言葉だけじゃないよ……」

 

クラウド
「ティファ………」

 

ティファは髪を上げて目をつむり、画面が暗転する

 

※ティファの好感度が低い場合

 

クラウド

「明日の戦いに備えて、今日は早く休もう・・・」


ティファ

「うん・・・」

 

ティファは目をつむって首を振り、画面が暗転する

 

……

 

クラウド
「……… もうすぐ、夜明けだな……」

 

ティファ
「う、うん……?」

 


※ティファの好感度が高い場合


クラウド
「ゴメン。おこしちゃったか……。もうすぐ夜が明けるよ、ティファ」

 

ティファ
「うん……。あの……お、おはよう……クラウド
「もうすこしだけ……このままでいさせて……」
「二度とこない、この日のために……。せめて、いまだけは……」

 

クラウド
「ああ……いいよ」
「これは、俺たちふたりにゆるされた

 さいごの時間かもしれないから……」

 

※ティファの好感度が低い場合

 

クラウド

「おはよう、ティファ。 もうすぐ夜が明ける……」

 

ティファ

「うん……。おはよう、クラウド

「もうすこしだけ……このままでいさせて……」
「二度とこない、この日のために……。せめて、いまだけは……」

 

クラウド

「・・・・・・・」

アルティマニアで記載されていた開発の構想では、飛空艇にあるチョコボ小屋で朝チュンして時間差で一人ずつ出てくるというアイデアもあったとか

この展開で、多くのプレイヤーは「序盤はいろんなキャラクターとの恋愛があったりしたけれど、エアリスの死を経て最終的にはティファと結ばれるシナリオなんだな」と解釈したかもしれませんが、ここのセリフにも不可解な点があります。

このイベントはティファの好感度という隠しステータス(変数)によってフラグが立ちます。しかしテキストを見てみるとティファの好意自体は両方の分岐先で変わらないように見えます。

好感度が低いイベントでは、クラウド「明日の戦いに備えて、今日は早く休もう・・・」とそっけない態度を取るのに対して「うん・・・」と少し含みをもたせた答えになっていてクラウドへの気持ちが見える演出になっており、夜明けのときにはティファのセリフは変わっていません。

そう、変わっているのはクラウドのセリフなのです。

つまり、一貫してクラウドへの好意が見えるティファの言動に対して、好感度の高低によって何故かクラウドのほうががそっけない態度を取るか好意的な態度を取るかが分岐します。

本質的には「ティファのクラウドに対する好感度」という変数のはずが「クラウドのティファに対する好感度」として振る舞っているのです。

つまり、シナリオ上で確かなものは「ティファとクラウドが結ばれること」ではなく「ティファがクラウドに好意を持っている」ということだけで

相思相愛になるかどうかはプレイヤーに委ねられている、ということです。

 

そしてさらにその後のイベントでは

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ティファ
「ね、クラウド……『だいじょうぶ』って言って?」

 

選択肢

【ちょっと気取って】

【ふつうに】

【言わない】

 

 

【ちょっと気取って】を選択した場合
クラウド
「だいじょうだよ、ティファ」

 

ティファ
「あ、本当にだいじょうぶって気がした……ありがと、クラウド

 

 

【普通に】を選択した場合

クラウド

「…だいじょうぶ」

 

ティファ

「うん、大丈夫だよね」

 

 

【言わない】を選択した場合

クラウド

「……そんな気休めは言えないな」

 

ティファ

「ごめん……そうだよね」

このように分岐して、ティファのセリフから「気取った態度で大丈夫だよと言うクラウド」を期待していることが伺える

 

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 しかし、このキザな態度で安心するような言葉を言ってくれるクラウドというのは、クラウド自身が演じていたザックスの記憶と理想の自分のミクスチャーに過ぎなく、本当の自分じゃないわけですね。

 

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クラウドが自我を取り戻し、仲間の元へ復帰するシーン

クラウド
「俺は元ソルジャーなんかじゃない」
「みんなに話した5年前の出来事やソルジャーとしての話は

 俺自身が創り出した幻想だったんだ」
「大見栄きって村を出たのにソルジャーになれなかった俺……」
「それをはじた弱い俺は

 親友だったザックスから聞いた話……」
「さらに自分で見たことをまぜあわせて幻想の自分を創り出した……」
「そしてその自分を演じ続けていたんだ」

 

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序盤でクラウドが仕事は済んだとアバランチを去ろうとするのを「幼馴染の約束忘れたの?」と給水塔の回想シーン

ティファ
「な~に?

 話があるって」

 

クラウド
「俺……春になったら村を出て

 ミッドガルに行くよ」

 

ティファ
「……男の子たちって

 み~んな村を出てっちゃうね」

 

クラウド
「俺はみんなとはちがう。ただ仕事をさがすだけじゃない」
「俺、ソルジャーになりたいんだ」
セフィロスみたいな

 最高のソルジャーに」

 

ティファ
セフィロス……

 英雄セフィロス、か」
「ソルジャーになるのって

 難しいんでしょ?」

 

クラウド
「……しばらくのあいだ

 村にはもどれないな、きっと」
「……うん?」

 

ティファ
「大活躍したら

 新聞にものるかな?」

 

クラウド
「がんばるよ」

 

ティファ
「ね、約束しない?」
「あのね、クラウドが有名になって

 その時、私が困ってたら……」
クラウド、私を助けに来てね」

 

クラウド
「はぁ?」

 

ティファ
「私がピンチのときに

 ヒーローがあらわれて助けてくれるの」
「一度くらいは経験したいじゃない?」

 

クラウド
「はぁ?」

 

ティファ
「いいじゃないのよ~!

 約束しなさい~!」

 

クラウド
「わかった……約束するよ」

ティファの求めるクラウド像とは、ピンチの時に駆けつけてくれるヒーローであり、安心する言葉をかけてくれる頼りになる男なわけで、意地悪な言い方をすればそれがクラウドである必然性がないわけです。たまたまニブルヘイムの生き残りだったというだけで。

村のガイドをやっていたセフィロスが来るまでのティファは自分を村から連れ出してくれる人を求めていて、ニブルヘイム崩壊後は自分の心の拠り所になる誰かを求めていたという依存関係に近いわけです。

 

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一方で、クラウドの精神世界では

ティファ
「そういえば、クラウドはどうしてソルジャーになりたいって考えたの?」
「私には、あなたが突然決心したように思えたんだけど……」


『……悔しかった。……認めてほしかったんだ』

 

クラウド
「……悔しかった。……認めてほしかったんだ」
「強くなれば

 認めてもらえる、きっと……」

 

ティファ
「認めてほしい……?

 ……誰に?」


『……誰に、だって? ……わかるだろ?

 ……ティファに……だよ』

 

クラウド
「ティファに……」

 

ティファ
「……私? どうして!?」

 

(中略)

 

クラウド
「…………ふうじこめられた

 ひそかな……ねがい……」
「大切な想いは……

 だれにも知られることなく……」

このような描写があり、幼少期のクラウドはティファへの恋愛感情のようなものがあるように描かれています。

しかし「ティファに認めてもらいたい」という気持ちが再会時にもあったとは言いがたいでしょう

 

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ティファ
「待って、クラウド!」

 

バレット
「ティファ!

 そんなヤツ放っておけ!」
「どうやら神羅

 未練タラタラらしいからな!」

 

クラウド
「だまれ!」
「俺は神羅にもソルジャーにも

 未練はない!」
「でも、かんちがいするな!」
「星の命も

 おまえたちアバランチの活動にも興味はない!」

 

ティファ
クラウド、おねがい。力をかして」

 

クラウド
「ティファ……わるいけどさ」

「ティファに認められたい」気持ちが残っているのであれば、自らアバランチを去ろうとはしないのではないでしょうか。

その後の会話では

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ティファ
クラウド、おねがい。力をかして」

 

クラウド
「ティファ……わるいけどさ」

 

ティファ
「星が病んでるの。このままじゃ死んじゃう」
「誰かがなんとかしなくちゃならないの」

 

クラウド
「バレットたちがなんとかするんだろ? 俺には関係ないさ」

 

ティファ
「あ~あ!

 本当に行っちゃうんだ!」
「かわいい幼なじみのたのみも

 きかずに行っちゃうんだ!」

 

クラウド
「ん……?」

 

選択肢

【よくいうぜ!】※ティファの好感度が5上昇

【……わるいな】

 

ティファ
「……約束も忘れちゃったんだ」

 

クラウド
「約束?」

 

ティファ
「やっぱり忘れてる」
「思い出して……クラウド。あれは7年前よ……」
「ほら、村の給水塔」
「覚えてる?」

 

クラウド
「ああ……あの時か」
「ティファ、なかなか来なくて

 ちょっと寒かったな」

クラウドもティファとの約束を忘れています。

聞かれてすぐ思い出しているので、魔晄中毒による記憶障害とは言い難く、ただ単に子供の頃にした約束をさほど重要な思い出として意識していないようにみえます。

 

クラウドと再開したティファの好感度は30でザックスの面影を見ていたとはいえ初対面のエアリスの50より低く、ティファの幼少期に抱いていたヒーローを投影しているかのようなクラウド像を持っている。

例えるならばアイドルに求める期待のような、等身大のクラウド本人の実像をあまり求めていないように描かれています。

あくまでティファという一人の女性がFF7という世界を生き抜くための不安を解決してくれる、自分を安心させてくれる頼りになる男を、クラウドに投影しているにとどまるのではないでしょうか?

 

 

・エアリス視点

 

エアリス
「2人おねがいしま~す」

【係員】
「はい、お2人様ですね」
「では、ゴールドソーサーの景色をごゆるりとお楽しみ下さい」

 

……

 

エアリス
「わあ、すご~い」

 

エアリス
「あっ! クラウド見て」

 

エアリス
「わあ、きれ~」

 

エアリス
「……きれいだね」

 

エアリス
「……はじめはね

 そっくりだったから

 気になった」
「全然別人なんだけど、そっくり」

「歩きかた、手の動かしかた……」

「あなたの中に彼を見ていた……」

「でも、ちがうの」

「いまは、ちがう……」

 

エアリス

「ね、クラウド

「わたし、あなたをさがしてる」

 

クラウド

「……………?」

 

エアリス

「あなたに会いたい」

 

クラウド

「俺はここにいる」

 

エアリス

(うんうん、わかってる……でも)

「あなたに……会いたい」

 

……

 

エアリス

「今日は楽しかった また、いっしょにこようね」

「わたしとじゃイヤ?」

 

選択肢

【ああ】

【そんなことない】

 

【ああ】を選択した場合

 

エアリス

「もう、いじわる!」

 

【そんなことない】を選択した場合

 

エアリス

「よかった。」

「次に来たときは もっとゆっくりと いろ~んなものに乗ろうね」

 

エアリス

「あっ、もうこんな時間

 そろそろ帰りましょ」

 

好感度の初期値が高いのもあって普通のプレイではだいたいエアリスルートに行き、ゴンドラ内の会話ではクラウドの身元に関わる重要な伏線が示唆されていたり、エアリス自身の死亡フラグともとれるようなセリフがあったりと、シナリオ上の情報量で言えば他と比べてエアリスが正規ルートと言えるのではないでしょうか

 

エアリスといえば、派生作品のクライシスコア(本編の数年前を描いた作品)でザックスの恋人という位置づけ(公式)になっていましたが

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エアリス
「あなた、クラスは?」

 

クラウド
「クラス?」

 

エアリス
「ソルジャーのクラス」

 

クラウド
「ああ、俺は……」
「クラス…… 1ST(ファースト)だ」

 

エアリス
「ふ~ん。 おんなじだ」

 

クラウド
「誰と同じだって?」

 

エアリス
「初めて好きになった人」

 

クラウド
「……つきあってた?」

 

エアリス
「そんなんじゃないの。ちょっと、いいなって思ってた」

 

クラウド
「もしかしたら知ってるかもしれないな。そいつの名前は?」

 

エアリス
「もう、いいの」

 

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クラウド
「エアリス……」

 

エアリス
「……この村にザックスの家があるなんて知らなかったからびっくりしちゃった」

 

クラウド
「知ってるヤツか?」

 

エアリス
「いつか話さなかった?

 わたし、初めて好きになった人」

 

クラウド
「……………」

 

エアリス
「ザックス……

 ソルジャー・クラス1ST。クラウドと同じ」

 

クラウド
「クラス1STなんて何人もいないはずだ。でも俺は知らないな」

 

エアリス
「別にかまわないの。むかしのことだしね。ただ、行方不明だから心配なだけ」

 

クラウド
「行方不明?」

 

エアリス
「5年前かな?

 仕事で出かけてそれっきり」
「女の子が大好きなヤツだったからね。どこかで知り合った子と仲良くなっちゃったのよ、きっと」
「あれ? どうしたの?」

 

選択肢

【それは心配だな】

【(やきもち……しっと……)】

 

【それは心配だな】を選択した場合

 

エアリス

「いいんだけど、べつに。

 でも、ご両親にくらい連絡すればいいのにね」

 

※エアリスの好感度が1上昇

 

【(やきもち……しっと……)】を選択した場合

 

エアリス
「もしかして……やきもちやいてる?

ん?  んん? どうなのかな、クラウドくん?」
「な~んて、ごめんね」

 

※エアリスの好感度が2上昇

 

エアリス
「行きましょ、クラウド

 

エルミナの夫が戦士した時は星の声を聞いて死を知ったのに、ザックスの死は星から聞かなかったのか会話の「ただ、行方不明だから心配なだけ」や、分岐したルートでの「でも、ご両親にくらい連絡すればいいのにね」から死亡したこと自体を知らないように見える。

クライシスコア(後付設定)ではザックスとクラウドが行方不明になった時点で神羅が殉職したと報道していたり、6,7年前から両親に手紙が届いてないことから状況証拠的にザックスの死はある程度悟ったものの、受け入れずに行方不明を信じているともとれるが

カームでのクラウドの回想後では

ティファ
「公式記録ではセフィロスは死んだことになっていたわ。新聞でみたもの」

エアリス
「新聞は神羅が出してるのよ。信用できない」

というやり取りがあり、「でも、ご両親にくらい連絡すればいいのにね」という発言から、ザックスの死は本当に知らないのだろう。


そして「もう、いいの」や「別にかまわないの。むかしのことだしね。」のことから、多少の未練はあるものの、ある種の諦めが伺える。

そして切り替えた次の恋愛対象がクラウドであると

エアリス
「……はじめはね

 そっくりだったから

 気になった」
「全然別人なんだけど、そっくり」

「歩きかた、手の動かしかた……」

「あなたの中に彼を見ていた……」

「でも、ちがうの」

「いまは、ちがう……」

悪い言い方をすれば、エアリスにとってクラウドはザックスの代わりに過ぎなかったわけです。

しかし「いまは、ちがう……」と次第に心が変わったことを吐露します。

エアリス

「でも、ちがうの」

「いまは、ちがう……」

 

エアリス

「ね、クラウド

「わたし、あなたをさがしてる」

 

クラウド

「……………?」

 

エアリス

「あなたに会いたい」

 

クラウド

「俺はここにいる」

 

エアリス

(うんうん、わかってる……でも)

「あなたに……会いたい」

 

自分の記憶と違っていることでクラウドの記憶がおかしいと気づいたティファに対して、クラウド自体の振る舞いがザックスに似ていることからクラウドが本当の人格でないことに気づいたエアリス。

 

ティファは理想の異性像をクラウドに投影していた

エアリスはザックスの面影をクラウドに投影していた

しかしエアリスはそこから一歩踏み込んで、自分のまだ知らない本当のクラウドに会いたいと求めた。

それは当時のクラウド自身も知らない自分の人格の奥底であり、本当のクラウドを見て、等身大のクラウドを求めている。

 

以上のことから、FF7の正ヒロインはエアリスだと言えるのではないでしょうか。