前回:HUNTER×HUNTERを楽しむためのあれこれ - はなくそモグモグ
【次回】
ハンタの王位継承戦を解説② ~王位継承にまつわる設定 - はなくそモグモグ
ハンタの王位継承戦を解説③ ~366話(7/31掲載分)までの本編解説 - はなくそモグモグ
この記事はジャンプ本誌連載のHUNTERXHUNTER 366話『其々』(2017年 7月31日 現在)までの情報を元に作成されています。
コミックス34巻までの内容はもちろんのこと、コミックス未掲載分の最新話の情報も取り扱っているのでネタバレ注意。
この記事では「継承戦が始まる前」の国や組織の動きを解説しているので
これが王位継承戦によるキャラクターの動きを左右するものではあるのですが実際の王位継承戦にはほとんど触れていません。
より具体的な「王位継承戦」の動向については次回の記事を参照 。
次回:執筆中
なんかこの話を見ていると、最近流行りのデスゲーム系のジャンルに対して「俺ならもっと上手く書けるぞ」というような作者自身の自信のようなものを感じますね。
僕もデスゲーム系はワンパターンな展開が多くてあんまり好きじゃないんですが
本作品を読むとこのジャンルのまた新しい魅力に気づけるかもしれませんね。
(ぼくはハンタ信者じゃないよ~~)
一方で、話が複雑すぎ、情報小出しにしすぎ、はたらけ、キャラが覚えられない等の意見を見たので解説すれば需要があるんじゃないかという打算で解説しようと思います。
創作物だと読者の理解を優先して「説明キャラ」を配置したり、敵がわかりやすいリアクションを取ったりという面でリアリティは表現上捨てなければならないため
「ここの言動アホじゃね」だとか「創作に本気でツッコミ入れ~~」みたいなことが起きがちですが、今回の「王位継承戦」に至ってはそういう読者優先の描写みたいな配慮が一切ない構成になっているので一回読んだだけでは全てを把握できない感じになっている。
なので読む上で重要になってくるのはキャラクターの使う「本音と建前」を区別して読解する、ということですね。
王子という外面と殺し合いのサバイバルという非日常が共存しているということを象徴するかのようにですね、表向きには綺麗な言葉や事務的な連絡に見せかけてその実、実質的に殺害や工作を示唆しているというようなセリフで物語が展開していきますから、一歩ずつ立ち止まって解釈して読み進めないと、全体を把握できないという
なんとも複雑な感じになっているので、そこをじっくり解説していきたいと思います。
・暗黒大陸
まず「マクロの視点」と「ミクロの視点を」抑えましょう
「マクロの視点」というのは暗黒大陸に対する国家間の動きですね。
V5は「暗黒大陸をタブー」とする前に、5回ほど渡航を行っております
(ドン=フリークスやネテロは非公式でこっそり行ったためカウントされず)
この5回というのは大国の数を示していて、5つの大国全てが暗黒大陸渡航に失敗し、さらには人類滅亡の危機が生じるレベルの厄災を持ち帰ったため「協力関係」を結んだ。
・ベゲロセ連合国の渡航
【 場所 】…メビウス湖北東部沿岸の険しい山脈
【リターン】…『無尽石』・・・ビーズ一粒程度で1日約2万kw排出する石
【 厄災 】…「人飼いの獣パプ」(A)
【調査部隊】…1000人規模の調査団
【 帰還者 】…7名
このリターンは充電した電気を使うキルアの能力を大幅に強化するパワーアップアイテムになりそうですね。
・サヘルタ合衆国の渡航
【 場所 】…メビウス湖を真北の樹海の先にある迷宮都市
【リターン】…『万病に効く香草』
【 厄災 】…「植物兵器ブリオン」(B+)
【調査部隊】…国の特殊部隊
【 帰還者 】…2名
このリターンは医者を目指しているレオリオのパワーアップアイテムになりそうですね。
コミックス34巻:No.359「出航」
今回の渡航で向かうのはここか?
一番最初にブリオンが出てくるのはうれしい。
・オチマ連邦の渡航
【 場所 】…メビウス湖の南東
【リターン】…『究極の長寿食ニトロ米』
【 厄災 】…「双尾の蛇・ヘルベル」・・・殺意を伝染させる魔物(A)
【調査部隊】…記述なし
【 帰還者 】…11名
クラピカのエンペラータイムの制約を解決するパワーアップアイテムになりそうですね。
当時は《ヒソカはヘルベルの毒にやられた暗黒大陸出身者》であるとか《薔薇はヘルベルの毒で作られている》などの考察がなされていましたが詳細は不明。
・ミンボ共和国の渡航
【 場所 】…メビウス湖南東
【リターン】…『三元水』・・・あらゆる液体の元となり得る
【 厄災 】…「霧状生物アイ」(A)
【調査部隊】…ハンター協会
【 帰還者 】…3名(正気を失っていた)
・クカンユ王国の渡航
【 場所 】…メビウス湖南東
【リターン】…『メタリオン』・・・錬金植物
【 厄災 】…「ゾバエ病」・・・不死の病(患者でB+)
【調査部隊】…ビヨンドを含むハンター達
【 帰還者 】…6名
こっちの厄災でもクラピカの制約はクリアできそうだけど……
これらを踏まえて、
この5つの大国は「暗黒大陸に行かない」「V5」として同盟関係を結ぶ。
要は
・他の大国より優位に立ちたいから「暗黒大陸からリターン」を持ち帰ろう
・5つの大国がそれぞれ失敗、それぞれ厄災を持ち帰るハメに。
・これ以上、暗黒大陸で植民地競争してたら人類がマジで滅びかねんから「みんな行かない」という約束にしよう。
・「誰も抜けがけしないなら(=誰も優位に立とうとしないなら)」自分も大人しくしていよう
という風に足並みを揃えてきたが
この度、カキン帝国がその均衡をぶち破って
「暗黒大陸に行くホイ、大陸から持ち帰ったリターンは国力増強のビジネスホイ」
と「抜けがけする気マンマン」だからV5としては面白くない
なのでV5(世界)としては
・そもそもカキン帝国を暗黒大陸に行かせない→そのうえで契約書を書かせる
これをしようとしたが「知らん無視!無視!」とカキンはそれを突っぱねる
なので
・行くんだったら暗黒大陸から持ち帰ったリターンを " V6 " として6等分する。
つまり、
「暗黒大陸に行かないという体で足並みをそろえるのか」
「暗黒大陸の利益を分配するという体で足並みをそろえるのか」
という違いですね。
要は「自分の国が優位に立ちたい」というのと「他の国に優位に立たれたくない」というメンツを守っている状況であると。
その折衷案として「今回の暗黒大陸渡航」が実現するわけですね。
そして次は「ミクロの視点ですね」
※新しいタブで画像を開けばオリジナルサイズで見ることができます。
ビヨンドは「どうでもいいから暗黒大陸探検させろ」という立場で
カキン帝国は「自分の国力を増強したい」という立場ですね。
ただV5の軍事力(蟻を討伐するレベル)を持ってすれば、ビヨンドの部隊も渡航に支障が出るレベルにはダメージを受けるので
ビヨンドは「V5の軍事力が及ばない範囲までは安全に逃げたい」と。
それが可能なのはカキン帝国という権力なわけです。
なのでビヨンドはまず、人類の領海域を超えるところまではカキンの力を借り、カキン帝国としては「国力をアピールする暗黒大陸渡航という偉業」をビヨンドに手伝ってもらう。
なので、厳密には暗黒大陸ではないが、開発の及んでいない「未開拓地」を「暗黒大陸」と言い張ることで「カキン帝国は暗黒大陸に上陸した偉大な国ホ!」と世界にアピールするわけですね。
そしてメディアも「人類は暗黒大陸に手が届きました!」と世界がワイワイ騒いでいるうちに
ビヨンドはこっそり「V5の軍事力に邪魔されず」「ハンター協会にも邪魔されず」「好き勝手に」本当の暗黒大陸を探検すると。
でもその探検によって「リターンを持ち帰って利権を主張」されるとV5のメンツが丸つぶれなので、その意思を代表して「ハンター協会」がビヨンドを討伐しながら、暗黒大陸のリターンを持ち帰る。ということですね。
これらを踏まえ
それぞれのキャラクターの事情をもっと掘り下げてみましょう。
キャラクターは所属や立場によって「何が目的か」というのが決まっています。まずはその母体である集団の目的をまとめてみましょう。
・カキン帝国
これは国全体の目的というよりかは、カキン国王のナスビ=ホイコーロの意志が色濃く反映される形ですね
《目的》
・新大陸(暗黒大陸ではない)に上陸し、人類を送り込むという「偉業を成す」
・ビヨンドが持ち帰った本当の暗黒大陸の《リターン》の利権を主張し、国を発展させる。
・船の中で継承戦を行い、生き残った子供を王にしたい。
【具体的な行動】
・新興国として「カキン帝国」になる際、「不可侵条約」締結を先送りにしていた。
・それを利用して5Vの軍事制裁を回避しながら「暗黒大陸渡航」を実行
コミックス34巻:No.359「出航」
表向きには「暗黒大陸」として
形式上は「カキン帝国が暗黒大陸に進出し、人類を移住させた」という偉業を達成されたことにしている。
それによりカキン帝国国王ナスビ=ホイコーロは「歴史的偉人」となる。
そして、それに協力したビヨンドはV5の権力から「無傷で」脱することができた。
コミックス34巻:No.359「出航」
その裏で、ビヨンドやハンター達は本当の暗黒大陸渡航に向けて準備をする。
新大陸上陸後はV5の軍事力が及ばなくなり、カキン国王を「偉人にする」という目的も達せられたので、ビヨンドはここからは好きにやる「宣言」している。
ハンター協会はそれを阻止する形となる。
コミックス34巻:No.358「前夜」
ここで僕がうまいなと思ったのは「カキン帝国は暗黒大陸に渡航する」と言いながら、「新大陸に人類を送り込む」って言ってるんですよね。
司会の人とかナビゲーターの人とかニュースキャスターは「暗黒大陸に人類を送り込む」って言ってるけど、国王だけは「新大陸に」人類を送り込むって言ってて
実際、に上陸して移住する場所については「新大陸」という言葉を使って言質を取られないようにしているところが実にうまい。
・ビヨンド
《目的》
・暗黒大陸に上陸し《冒険》する。
【具体的な行動】
・ハンター協会に出頭する。
・カキン帝国が新大陸に上陸するまで(V5の権力が及ばない範囲まで)大人しくしている。
カキン帝国が新大陸渡航する段階で、ビヨンド=ネテロの姿が見えないとV5が対策してくる。
つまり「カキン帝国が渡航する裏でこっそりビヨンドが暗黒大陸に抜け駆けしてリターン取ってきたら厄介」
だから国交断絶覚悟で軍事制裁を加えてくる可能性がある
「カキン帝国が暗黒大陸のリターンで軍事的にV5より有利になる」
「カキン帝国が暗黒大陸から厄災を抱えてきて人類が危機に瀕する」
ならば
「カキン帝国と戦争したほうがマシ」
という結論になるため
①「ビヨンドはハンター協会の監視下にある」
②「そのためビヨンドは暗黒大陸のリターンについてV5(ハンター協会)と山分けせざるをえない」
という体にしておくと、V5が軍事力を用いない構図になる。
故に、ビヨンドはハンター協会に出頭してきた。
V5》
建前「ビヨンドを暗黒大陸に行かせるな」
本音「ビヨンドに先越されないように(抑えながら)《リターン》を持ち帰ってね」
本音(裏)「ビヨンドに先越されたら殺すぞ」
ビヨンド》
建前「大人しくハンター協会の付き添いの元、暗黒大陸を探検します」
本音「新大陸ついたら脱走する」
・V5
コミックス33巻:No.341「厄災」
《目的》
・自分らの立場を守る。
└ 皆で足並みをそろえて「暗黒大陸に上陸しない」
└ 皆で足並みをそろえて「利益を分配する」
【具体的な行動】
・カキン帝国に「暗黒大陸上陸の中止」と「不可侵条約の締結」を要請
しかし、軍事的に止めることはできないのでカキンは無視
・なのでカキンを「V6」に加盟させることで「V6」として暗黒大陸渡航をさせようとする。
・そのため、軍事力の及ばない暗黒海域の渡航に「ハンター協会」を使う(これが事実上の軍事力となる)
・ハンター協会がビヨンドを抑えているうちは「V6」としての暗黒大陸渡航になる。
・ハンター協会
ここがややこしい点ですが、ハンター協会も一枚岩ではないということですね。
なので派閥別に解説していきたいと思います。
【十二支ん】
《目的》
・V5の意向を汲み取り、ビヨンドを拘束する。
・人類の発展のために暗黒大陸でリターンを得る
【具体的な行動】
・レオリオとクラピカを十二支んに加える。
・渡航者を募るため「ハンター試験」を行う。
・ブラックホエール号で治安維持や負傷者の治療などのインフラを整える
・その傍らビヨンドネテロの監視を行う。
十二支んが組織のトップですから
協会全体としての意向は「ビヨンドを捕獲」「暗黒大陸を渡航」という風に「表向きはなっています」
ですがネテロ前会長が「指令ではない」と言っているので、協会員には強制できず「お願い」という形になる。
なので「暗黒大陸へ渡航する目的」がない協会員は参加しないということも可能である。
そこで多くの協会員を勧誘するために十二支んは「レオリオを参加させた」
選挙編の言動によって多くの共感を得たレオリオが暗黒大陸渡航に参加を表明したことで、協会員への勧誘がスムーズになった。
そのオマケとしてクラピカも参加した
そして目的の内
・V5の意向を汲み取り、ビヨンドを拘束する。
にも賛否がある
【反対派】
カンザイ》
競争相手の足を引っ張る真似はしたくない
ミザイストム》
結局V5の利権争いだからそれに従う正当な理由はない
V5の判断を正当性を検証すべき。
パリストン》
判断がつまらない。
ジン》
旅先でくらい自由にさせろ。
【賛成派】
許可庁(V5)》
ビヨンドを逃したら君達に明るい未来はない。
ボトバイ》
民間団体が政治的介入(V5に逆らって意思表示)をすべきではない
→要はV5に依頼されたのだから、黙って仕事をすべきだ」という立場ですね
チードル》
とりあえずは新大陸までは拘束、後の処置は後々議論する
→要は先送り
結局、チードルのこの判断でまとまった。
【パリストン派】
《目的》
・ビヨンドに協力する。
【具体的な行動】
・他の仲間も「ハンター協会員にするため」試験を受けさせる。
・ブラックホエール号に乗船させる
これはビヨンドの意向に従って起こす行動と、パリストンの個人的な判断によって起こす行動の二つがあるのでややこしいですが、今のところ目立った行動は起こしていないので考察せずにすんだ。
表向きにはハンター協会の意向「ビヨンドをハントする」を守っていますが、その裏では「ビヨンドに協力するために何かたくらんでいる奴」がいるわけですね。
コミックス33巻:No.348「覚悟」
その典型例は「サイユウ」や「協専のハンター」
つまり表向きには「ビヨンドを抑えつけろ!」という体ですが
その裏で「ビヨンドを逃がそう」という人間が協会内に潜んでいるわけですね
それがブラックホエール号という密閉された空間の中を部隊に、裏の任務を隠したハンター達が争うという構図になってるのがポイントですね。
・ハンター試験
そんな中で今年もハンター試験が行われるわけですが。
ここも一つのキーポイントになっています。
《パリストンの狙い》
・自分の息のかかった人間をハンターにさせたい
つまり、ビヨンドに協力する人材をブラックホエール号に送り込みたい。
こっちはビヨンドの意向を汲み取った形ですね。
まぁ、ビヨンドは「そんなもん知らん」って言ってるから、ビヨンド「陣営」としての意向というほうが正しいかもですね
・キメラアント5000匹をハンターにさせたい
これは完全に自分だけがやりたいことでしょうね。
コミックス32巻:No.331「X日」
ハンター十か条
其の四「悪質な犯罪行為に及んでいない同胞のハンターを攻撃してはならない」というルールがありますから。
キメラアント5000匹に「ハンターに攻撃されない」というプロテクトをつけることが出来る
そのハンターの資格も
其の三「ハンターのライセンスはいかなる事情でも取り消されることはない」
という二重プロテクトで守られている
そして其の八
「会長が死んだら副会長が代行権を得る」
「直ちに選挙を行い、過半数の信任を得たものを会長にする」
つまりハンター600人強に対して5000匹のアリをハンターにした暁には、チードルを殺し、選挙で5000票を得たアリが会長になる、副会長もアリ。
コミックス32巻:No.335「決定」
コミックス33巻:No.342「布告」
それが31~32巻の選挙編だったり、33巻の強制二択だったりするんですが
この行動の本質は「ネテロ会長のような面白い奴を見つける」なので、ジンが直接相手してやるということで、「面白いやつがやってきた」パリストンの興味はそっちに向かった。
コミックス32巻:No.335「決定」
ハンター十か条欠陥すぎでしょ。
なので実際は
・自分の息のかかった人間をハンターにさせたい
これを防ぐだけで済む
それを踏まえた上で協会の狙いを書く。
《チードルの狙い》
・「優秀な人材」を雇いたい。
暗黒大陸攻略に特化した人材を求めている。
つまり、ビヨンドに協力しないクリーンな人材を求めている
このように、チードルはパリストンの狙いを阻止するために、上記の二つを満たしたハンター試験を行いたいわけだが
十か条 其の九
・ハンター試験の選考方法は会長に一任
・しかし、従来の方法から大幅に変更するには協会員過半数の信任が必要。
つまり、従来の試験では「グルメハンター」や「犯罪者ハンター」や「難病ハンター」みたいな多様な能力をもっている人間もハンターに成れたのだが、今回のような切羽詰まった状況では「暗黒大陸渡航に必要な資質を持っている者」を優先的に選抜する仕組みになっていたり
思想面「ビヨンドに協力しない」というところも選別の対象になっていたため、従来の試験制度とは大幅に異なる仕様になっているため
其の八に基づいて手続きを踏まなければならないが、
そんな余裕はないハンター協会は今回の試験に限り
「準会員」という枠にすることで「渡航向きの」「ビヨンドの味方以外の」人材を求める対処を取った。
この「準会員」という扱いは、暗黒大陸渡航中の期間限定でハンターの資格を有するという枠ですね。
これを設けることで、得られるメリットは2つ
①十か条を回避しながら「渡航向きに特化」した人材の確保
②これを受けさせることで「ビヨンド派かどうか」をろ過するはたらき。
特に②を見てほしいですね。
この「準会員」を選ぶハンター試験は「人材の確保」以外の目的でも利用されています。
具体的な場面を上げると
コミックス33巻:No.348「覚悟」
このように協会はカキン国王軍や王子の私設兵にも「連携要請」をしている
どういうことかというと、船に乗っている部外者である「武力を持った人間」つまり軍人や念能力者に対して試験を受けさせることで「ビヨンドの息がかかっているか」を白黒はっきりさせる形を取っています。
つまり、表向きには「王子の護衛」だの「一般渡航者」だの「権力者」だので乗船するものの「裏の目的(主にビヨンド)」を持ってるやつをあぶり出す目的としてでもこの「準会員」という制度が用いられているわけですね。
それが後に、継承戦に大きく関わってくるわけですが。
王子側にしても自分の息がかかった兵士を「ハンターとして」乗船させることで、私設兵というだけでは入れない領域に人材を派遣する事ができるメリットが有る。
・幻影旅団
コミックス34巻:No.357「残念②」
《目的》
・王や王子の船に持ち込んだ宝を盗む
【具体的な行動】
・「一般渡航者」として乗船
何だこの服!?って思ってたけどこの柄で下地が白で線が黒のTシャツ最近なんか流行ってるよね。
そんなことより「久々に全員集合」ということで、この船には幻影旅団も乗っているわけですが
狙いは王や王子の船に持ち込んだ宝。
これはあれでしょうか、ビヨンドが新大陸で脱走して勝手に暗黒大陸に上陸してリターンを持ち帰り利権を主張「しそうになった時の保険」として
V5が空き家になってるカキン帝国から財産を差し押さえたり、関係の深い要人を人質に取るといったような状況を防ぐために、家族である王子や王妃、そして要人やらのVIPから差し押さえられて困る財産などを全てブラックホエール号に持ち込んで
ビヨンドが持ち帰ったリターンを公的に主張するまでは、V5の軍事力の及ばない新大陸で籠城するつもりなのかもしれませんね。
第四王子ツェリードニヒに限って言えば自身の作品(犯行)を隠すために持ち込んでる感はありますが。
で、幻影旅団はそれを狙うと。
・ヒソカ
《目的》
・幻影旅団員全員の殺害
【具体的な行動】
・???
そして、その旅団を追うヒソカ
ここで僕が思うのは
コミックス34巻:No.357「残念②」
ここでマチに治してもらわずに「足」「指」「顔」をゴムで再現したじゃないですか。
顔に関しては、鼻と唇がなくなってますから、顔の凹凸の表現は自由になったということで
「ヒソカ以外の顔」でも再現できるんですよね。多分
「指」を再現することで、指紋が再現できないにしろ(指紋は分泌油分によって付着するからそこまではバンジーガムやドッキリテクスチャの範疇ではないはず)
「ヒソカ」の指紋が採取されなくなったと言ってもいいし
まぁドッキリテクスチャで指紋認証ぐらいは突破できそうですが。
「足」がなくなってることで身長も操れると思うんですよね。
邪推しすぎかもしれませんが、これでヒソカは「他人になりきる」ことが可能になったんじゃないかと僕は思っていて。
すでにブラックホエール号に乗っている主要人物に成り代わってる可能性が浮上したと考えています。
まぁ妄想でしかないんですが。
・クラピカ
《目的》
・緋の目を取り返す
・最後の持ち主、第四王子ツェリードニヒとの接触
(顔を合わせるとダウジングチェーンが使えるからか)
【具体的な行動】
・「王子の警護」として第十四王子ワブル、第八王妃オイトとともにブラックホエール号に乗船。
さて
ここまでの情報が揃った所でようやく、王位継承戦の本題に入る事ができるわけですが
まぁ、実際ここまでの情報がなくても楽しめるんですが。
「継承戦に関わるキャラクターの行動原理」や「今後の展開の考察」を考える上では重要な情報なので、前編として書かせていただきました。
後編ではこの記事の情報をふまえ、具体的な王位継承戦の内容について触れていくので
当記事を参照しながら次回の記事を読み進めていただければ
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書いてる途中