はなくそモグモグ

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HUNTER×HUNTERを楽しむためのあれこれ

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この記事はジャンプ本誌連載のHUNTERXHUNTER 366話『其々』(2017年 7月31日 現在)までの情報を元に作成されています。

コミックス34巻までの内容はもちろんのこと、コミックス未掲載分の最新話の情報も取り扱っているのでネタバレ注意。

ちゃんとしっかりちゃっかり書いたからな?

 

年にコミックス分描いて休載するという実質月一連載と化しているハンターハンター

今回の話(366話)をもって、次回かその次あたりに物語が大きく進みそうな感じがしてきたので(僕の予想では、次回でツベッパの手下と交渉した後、最後のページで衝撃の展開みたいな)

王子の誰かが死ぬか、それに準ずる何か膠着状態が大きく揺れるほどの、あるいは視点が変わるか(クロロか、乗船している誰かか)

 

今この漫画が熱い(独断による選考)ハンタですが

その一方で「話が複雑でよくわからん」「台詞多すぎ」という評価もよく見ていて、その状態で次回の衝撃の展開を見るのももったいないんじゃないかという老婆心で

hunterhunterを解説していきたいと思います。(タイトル表記を統一しないことで検索に引っ掛けていくアフィの鑑)

 

ちなみに!次回で話が動くというのは僕の妄想以上の何者でもありません!!

 

 

まず、この話を通して冨樫義博先生が描きたかったものとは

 

ジャンプ流! vol.21で氏は

キャプテン翼のジュニアユース編がジャンプ史上最も名前の出ているキャラクターが多い作品だと記憶していて、今回の暗黒大陸編ではそれを超えることを裏目標にしている」

と語っており、挑戦的な姿勢で話作りに挑む

(どうせなら連載頻度を過去最大にする。みたいな目標にしてほしかった。)

 

そしてただ闇雲にキャラクターを増やすだけでなく、しっかりタイムスケジュールを設定したりして綿密な話作りに拘っている。

その「話作り」に時間を割いているため、週刊連載ペースでは追いつかないそう。

「富樫原作で作画を別人にしろ」という意見をよく見かけるのですが、このことを鑑みると作画は連載ペースにあまり影響はなさそう。

僕的にも週刊で連載するために作品を妥協されるのは好きじゃなくて、例を挙げれば今のカイジみたいな。先の話を考えずに週刊連載という強制横スクロールで作業をすると、どうしても作品のクオリティが下がってしまうというか話が薄まったり引き伸ばされたりして無駄に冗長になる。

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週刊連載だとその仕組の性質上、上の図のように明らかに設定作中描写に追いついていないという現象が見られて萎えるんですよね。

学園モノの連載だとクラスメイトのうちメインキャラはしっかり顔と名前が設定されてるのに、モブキャラの生徒だとはっきり設定されていなくて、同じクラスなのに描写毎に顔がぜんぜん違うみたいなことが起きる。

これは設定作中描写を持て余している例ですね。

僕は作品に描かれる一切の事象について作者が説明できる意味を持ったものであって欲しいという考えで、むしろ作中描写だけでは作品の世界観を完全に説明しきれないようなそういう情報の広がり、あるいはディテールへの拘りが感じられることに物語の面白さを見いだしているのである。

要するに「週刊連載を意識して無駄の多いストーリーになるくらいなら、面白さを最優先してコンプライアンスは二の次にしろ」という僕の暴論は週刊連載の性質と真っ向から対立していて、なかなか僕の好みの作品に出会うことは少ないのですが

個人が趣味で書いているようなWeb漫画が書籍化やアニメ化されたりと「出版社に持ち込んで担当者に認められてからがスタートだった従来の漫画のあり方」が根本から変わっていく現代で、週刊少年ジャンプという内側からこういう常識の破壊を試みてくれているという観点からも注目しているのが今この漫画が熱いハンターハンターなのです

 

こういう諸々の執筆環境が《破天荒(正用法)》である冨樫義博先生ですが、僕が漫画を読むに、内容にもバトル漫画として《破天荒》な部分が存在します。

その一つの契機はキメラアント編です。

この話では念能力がインフレにインフレを重ね、メルエムがいかに個として最強かということがこれでもかというほどに描写されました。それ故に後のヒソカvsクロロがお遊戯にしか見えなかったり、次にどんなキャラが出て来ても王以下というのが免れないパワーバランスを形成していました。

そんなボスの攻略法として

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コミックス28巻:No.298「薔薇」

まぁ詳しいこと(厳密な定義について)は原作を読み直して欲しいんですが、例えるならば核兵器放射能汚染で殺すという身も蓋もない展開でボスを倒し、バトル漫画を根底から覆す内容になっていて、

あんまり漫画に詳しくない僕は「主人公がパワーアップしてラスボスと戦わない」という展開がただただ斬新で驚いていましたね。従来のバトル漫画だと絶対ピトー倒した勢いで更に成長してメルエムも倒して主人公最強!みたいな展開になるじゃないですか。

この辺からハンターハンターはバトル漫画としての《ある答え》に帰結すると思うんです。

それは「バトル漫画に起こりがちな強さのインフレーションを破壊する」というバトル漫画としては《破天荒》な解です。

 

つまり、従来のバトル漫画では

メルエムという強い敵が出て来る→それよりも強くなったキャラクターがメルエムを倒す→次はそれよりも強い敵キャラが出て来る。

この繰り返しで「暴力的な強さ」という一本の評価軸を回を追うごとに更新し続けるという構図になるのですが

ハンターハンターでは蟻編以降、新しくキャラクターがやたらと出てきますが、そのどれもが王に届きうるか微妙なラインで明確に強さがインフレしているようなキャラクターはまだ出てきていません

しかし「暴力的には王が一番強い」にも関わらず

王は薔薇によって死にます。

 

つまり「念能力をいくら極めても、国家軍事力には勝てない」というどうしようもない結論に収束するわけですね

 

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コミックス33巻:No.342「布告」

ハンター協会は許可庁の犬でその許可庁の上にV5(常任理事国みたいなもん)がいますから

実質、キメラアント<V5という力関係になってしまいます。

しかし、暗黒大陸編では

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コミックス32巻:No.340「特命」

見た目が汚いルフィ 

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

そのV5の政治的圧力をのらりくらりと交わし、暗黒大陸渡航へとこぎつける(二重の意味で)カキン帝国とビヨンドの姿がある

単純な力比べだと

V5 < ビヨンド < メルエム

この力比べというのは、メルエムが東コルドーを落とした時のようなことを指します、軍事力を行使しようにも都心を戦場にすることはできないのでV5が最弱ということです

このような結果であるはずが、軍事力を行使できる場合、それは最強の念能力をも凌駕するという設定があるために

ビヨンド < メルエム < V5(国家的な軍事力)

という構図になり、更にそこに政治的な力学が加わることで

メルエム < V5(国家的な軍事力) < ビヨンド

と逆転に逆転を重ね、こういう妙な構図になる。

つまり「バトル漫画的な強さ」でない「強さの評価軸」を加えた結果、「バトル漫画に起こり

がちな強さのインフレーション」を回避しながら「メルエムよりも強い敵を出す」というバトル漫画としての《破天荒な解》を提唱したのである。

 

それについて各キャラは以下のように語っている

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

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コミックス33巻:No.343「勧誘」

 

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コミックス35巻(推定):No.362「決意」

 

三人共

ネテロ:個としての「強さ」

ジン:ただの力自慢

ナスビ:爪と牙しか持たない獣

と「バトル漫画としての強さ」を定義した後、「それだけが強さじゃない」という含みをもたせながらそれを否定している。

 

のように「単純な強さ」の軸だけではないという要素に具体性を帯びてきたのが最近ではあるが、その兆候は前からあったと言えるだろう。

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コミックス22巻:No.255「10-③」

操作系能力は相手の強さに関係なくその効果が及ぶ。

バトル漫画にありがちな「格上キャラには補助技が効かない」みたいなものやRPGでいうところのボスキャラがデバフや状態異常攻撃が効かないみたいなのを作者自身が嫌っているのかもしれない

 

ハンタは特に「補助技は格上にも効く」というのを何度も強調していて、

暗黒大陸に巣食う生物が圧倒的な強さを持っているのも、「念能力を極めることで力技で突破することができるということはない」というのを強調する意図があるようですね。

 

 

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コミックス10巻:No.084「9月2日⑥」

これも「単純な強さ」を凌駕しうる「裏口的な強さ」の描写の典型例。具体的には制約を介した強さであったり、ある条件下(ヒソカvsクロロのクロロみたいな)においては「単純な強さ」による差を埋めることができる。

 

という風に作者がひねくれているのか、単純なパワーバトルに対する反抗心のようなものを感じる。

ひねくれてる僕にとってはこっちのほうが正攻法(ノーマル)に見えるんだけども

 

しかし、これは悪い言い方をすれば「作者のさじ加減で戦況はどうとでもなるという

バトル漫画にありがちな「作者の裁量次第で力関係が逆転する」に帰結するリスクも孕んでいるのですが。

そこに論理性があるか勢いがあるかの違いですかね~

 

あとは、最強の王が最弱のコムギを殺せなかったり、それによって直属護衛軍がコムギの生死に翻弄されていたり。

その最強の王を殺しうる「軍事力」をカキン帝国やビヨンドに対しては使えないという国家間の力学があったり。

 

「使えば瞬殺やん」っていう力をいかに「使えない状況」に持っていくか、というところにハンターハンターのおもしろさがあると思うんですね。

 

それこそが

暗黒大陸に必要不可欠な強かさ、だと思うんですよ。

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

キメラアント編以降のバトルにはある共通点があって

 

①ハンター会長総選挙

②その裏で起こった《ガス生命体アイ》攻略

ヒソカvsクロロ

④カキン帝国王子による王位継承戦

 

この全てには「ルールがある」ということですね

まぁ当たり前っちゃ当たり前ですが

 

①ネテロ(ジン)が考えた選考のルール

②アイ(アルカ)のおねだりやそれに伴うリスクの法則

③クロロの能力の仕様

④ナスビ=ホイコーロ(壺中卵の儀)のルール

 

①ではパリストンやそれに対抗する十二支んを初めとした選挙に参加した全てのハンターが

②ではアルカを巡るゾルディック家の人々が

③ではヒソカ

④では王子を初めとした護衛の人々が

 

それぞれが、①②③④の《ルールを受け入れる》という形で戦いが展開している。

 

①④では政治的な力が、③では念能力による力が、②では暗黒大陸的な力が

(②は念能力の延長として定義できる事象だけど、その力の大きさの差が膨大なので別ジャンルに分類)

 

①④は散々語ったので割愛

 

③では

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コミックス34巻:No.351「死闘」

ヒソカが譲歩する形で「クロロの流儀」を受け入れる。

 

【ルール】

《盗賊の極意》は本を手に持つことで盗んだ能力を使える

②…《栞のテーマ》を使えば、本を持たずに盗んだ能力を使える

…①、②を用いれば能力は《二つ》使える

栞のテーマ》には厄介な制約がある。

…《番いの破壊者》は能力を解除しても刻印は消えない

⑥…⑤に付随して刻印を押された《神の左手悪魔の左手》も解除時に消えない。

⑦…クロロが100%勝つ

⑧…『死ぬまで』やる

 

【使用する能力】

《携帯する他人の運命》…ブラックボイス相手に針を指せば、誰でも操れる

人間の証明》…オーダースタンプ人形を操作、簡単な命令しかこなせないが複数操作が可能。

 

(両手を使うので栞必須の能力)

《神の左手悪魔の左手》…ギャラリーフェイク。左手で物体をコピー、右手でペーストする。

 

(全ての能力を使うには栞がいるもの)→つまり本を持っていても片手のみの効果を成せるもの

《番いの破壊者》…サンアンドムーン右手の刻印と左手の刻印を押すと爆破

《転校生》…コンバートハンズ。右手で触れると相手が自分の姿になる、左手で触れると自分が相手の姿になる

 

っとまぁ読み飛ばしてくれて結構なのですが、この「ルールを受け入れる」形でどういう活路を見いだすかという。暗黒大陸編における一つ大きなテーマとなっている闘いなのですが。

「純粋なパワーバトル」は蟻編で終了したので、こういう「ちまちま」した闘いは見劣りするとかごちゃごちゃしてて見にくいという意見をちらほら見ます

 

個人的に一番驚いた意見は「ネテロvsメルエムの後にこの闘いだからしょぼい」という意見ですね。

これって裏を返せば「ネテロvsメルエム以上の派手なバトルを見せろ」ということですよね、僕はネットの人間ほど「パワーインフレの激しいバトル漫画」に否定的だと思っていたので暗にパワーインフレを肯定するような意見があるとは思いませんでした。

バトル漫画におけるパワーインフレは、要は強さの描写を作者が甘えた結果によるいわば天災的なものだと思っていたのですが、割りと読者の方からそれを求めている節もあるんだなぁというところが意外でしたね。

 

あと「能力の説明」に関しても「《能力の説明》をするのは作者が嫌っているから、《能力の説明》は無条件に叩くぞ!」みたいな思考はあまり好きじゃないですね。

作者が言っているのは「理由のない」能力の説明であって、そこは状況によって「説明義務が生じる場面」もあるとおもうんですよ

今回のバトルで言えば、上記のルールにおそらくどこか抜け穴があってのことだと思っていて。その代表例は《共闘説》ですが

まぁ僕的には共闘説でない他の抜け道があるような気がするんですけど。

 

例えば、じゃんけんで「僕は《グー》か《パー》しか出さない」ということを示唆させれば相手は必ず《パー》を出しますよね。

そこに隠し玉的な《チョキ》を出せば勝てると。これが「100%勝つ」ということだと思うんです?

そこで、「僕は《グー》か《パー》しか出さない」ということを言わなければ、相手は何出していいかわからないから《グー》《チョキ》《パー》を適当に出す、これだとギャンブルになってしまう。

ゆえに「相手の択を絞る」ために「あえて情報を開示する」というのは戦略として十二分にありだという嘘喰い理論ですね。

 

現に今回の戦いでも

…《番いの破壊者》は能力を解除しても刻印は消えない

⑥…⑤に付随して刻印を押された《神の左手悪魔の左手》も解除時に消えない。

この⑥を隠したまま

 

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コミックス34巻:No.352「厄介」

 

《神の左手悪魔の左手のコピー》が消えた時は《神の左手悪魔の左手を解除》した時だと思ってくれていい

このことでヒソカは「《神の左手悪魔の左手のコピー消えない限りは、《神の左手悪魔の左手を解除》をしていない」と考察したが実はそれがミスリード

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この誤認を利用すれば

二つ使える能力のうち「一つ」は「ギャラリーフェイクを維持するために使っている」と断定したヒソカの心のスキに対して

「一つ」「能力をセットする事ができる」

 

こういう「ルール上の隙」をついて「通常よりも多く能力を使う」ことを実現する。といった「強かさ」

これが「ルールに沿った強さ」であると。

これがハンタにおけるバトルの楽しみ方だと思うんですね。

 

このルールの中でクロロが「どういう抜け穴」を使ったのか(共闘のような)、使ってなくて普通にヒソカがボコられた可能性もあるけど

それは定かではありませんが

ヒソカは「クロロが100%勝つ」「どちらか死ぬまでやる」というルールを満たしながら生存しました。これも「ルールに沿った強さ」と言えるでしょう。

ここでポイントなのは、ヒソカが旅団を殺し始めたことですね。

 

まぁぶっちゃけ印象論で言えば、クロロに喧嘩売っておきながら、コテンパンに負けた上、はらいせに手下虐殺するという完全なる自業自得で逆ギレしはじめるキチガイにしか映らないんですが、

ここもですね、暗黒大陸編における「ルールに沿った強さ」を描写する上でのあるポイントが有ると思うんですよ。

要するに「クロロのルール」は「死ぬまでやる」を満たした時点で失効されたと言ってもいい、その上でヒソカはルール無用の乱闘を仕掛けるという構図

それが「ルール無用」か「ヒソカのルールで闘る」のか、どちらにしろ

「ルールに沿った強さ」が正義である最近のハンタにおいて

「ルールが無効になった場合のケース」という布石がここでは描かれていると思うんですよ。

 

V5がカキン帝国に対して薔薇を打てないのは「政治的なルール」があるからで、王位継承戦においてハンター達が王子を念で瞬殺できないのも「カキン帝国の法(ルール)及び軍事力というルール」があるからなんですけど

その「ルールが無効化する場面もある」ということですね

 

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コミックス33巻:No.349「蠱毒

例えば、ビヨンドは暗黒大陸に行く手段として「政治的なルールに沿ってカキンを利用してV5に軍事的な介入を抑止しながら船に乗るというところまでこぎつけた

つまり、この時点で単純なパワーで言えば

 

ビヨンドネテロ < V5(薔薇)

 

だったから「政治的なルール」を受け入れるしか無かった、故にビヨンドは「大人しくしている」のだが

それゆえ、政治的な関係性で言えば

 

V5 < ビヨンド(カキン)

 

という構図になる。

 

しかし暗黒大陸に上陸した瞬間《V5の軍事力(薔薇)は届かない》

その軍事力の代わりとしてハンター協会を利用しているのだが

 

しかし純粋なパワーで言えば

 

ハンター協会 ≦ ビヨンドネテロ < V5(薔薇)

 

だが暗黒大陸時には

 

ハンター協会 ≦ ビヨンドネテロ < V5(届かない)

 

故にこれは「政治的なルールが無効化された」局面に相当する。

この「ルールが無効化された場合」は「自分のルールを押し付ける」ことができる

つまり、やりてーほーでーが可能というわけである。

 

このように、「クロロのルールが失効された場合のヒソカの暴走」や「政治的、軍事的なルールが届かない領域に着いた場合のビヨンドネテロの行動」

今やっている王位継承戦においてもルールが無効化されうる可能性」も幾つか示唆されてきましたね。

 

この「ルールに沿って闘うキャラクター」と「ルールが無効化される場合」に思慮を巡らせながら読み進めるのがハンターハンターの楽しみ方だと。

 

 

続いて②(アルカ、アイ)に関して言えば、暗黒大陸編を想像するのに参考になるヒントがあって

力が膨大でも「ルールに沿って戦えば」無傷の攻略も不可能ではない。という可能性が選挙編において暗示された点である。

 

「ガス生命体 アイ」に関しては半分攻略したも同然で(キルアとアルカ、アイの一見ハッピーエンドにも見える32巻の展開が《欲望の共依存》の術中でなければ)

そのことにより、暗黒大陸にはキメラアント的な単純に強いだけの敵もいるだろうが、攻略のポイントととして描かれるのは「ガス生命体 アイ」のような「ルールを持った驚異的な力」であり。

過去、攻略に失敗した先人の多くは情報不足やそれに伴う焦りなどで「ルールを犯したペナルティ」として全滅していったと考えるのが妥当だと思う。

例えば、アイに「でかすぎるお願いをしてしまったことによって、おねだりで全滅した」みたいな

 

つまり「しっかり情報を集めて」「ルールに沿って」戦えば、「個としての強さ」に関わらず暗黒大陸を渡り歩くことが十分に可能であるという蓋然性があるというのがポイント。

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

それがビヨンドネテロの持つ「王より強い軍事力を持ったV5をのらりくらりとかわして我を通したり」するような「ルールに沿って最善を選択できる」強かさであったり

 

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コミックス35巻(推定):No.362「決意」

ナスビ=ホイコーロの唱える後方支援に始終する「間接的工程を重視する」力。

具体的には、アイ(アルカ)の「おねだりの法則」に関する情報を集める際に、ゾルディック家は執事を利用(殺)しながらルールを線引した時のような間接性

 

つまり、単純な念能力ではズシにも劣りそうなカキン国王子であっても命令すれば命を賭してでも遂行してくれるような手下がいっぱいいるから、暗黒大陸攻略としての強かさは備えていることになる

(まぁ王子達は暗黒大陸に上陸せずに帰るんだけど)

対しヒソカなんかは個としての強さでいえば最強クラスでも、ぼっちで人見知りだから

人望という点で言えば暗黒大陸攻略としての強かさはあまりないことになる。

 

十二支んがレオリオを迎え入れたのも、そういう人望を求めた面が強いだろう

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

そういう話でいうと暗黒大陸のリスクの内、この辺の3つは「ルールに沿った強さ」に基いているだろうと予測できる。

 

 

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

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コミックス33巻:No.341「厄災」

 

対し、この辺が上3つと違うのは、紹介文が抽象的すぎるという点。

アイは「欲望の共依存」、ヘルベルは「殺意を伝染させる」、パプは「快楽と命の等価交換」と具体的なルールを暗示させる煽りになっていますが

ゾバエは「不死になる」ということしかわからず、ブリオンに関しては「全裸の球体が古代遺跡を守っている」というどうでもいい情報しかない。

「不死になる」や「古代遺跡を守る」過程で「ルールがある」かもしれないし、ただ単純な暴力かもしれない。

この辺は不明ですね。

 

 

 

といった内容を1000文字くらいに収めて、王位継承戦の解説記事のまえがき的なものしようと思ったのですが

なんか僕は文章をまとめるのが下手くそなのでいつも冗長になってしまいますね。

つまり、何が言いたかったかというと

ハンターハンターで強さ議論はナンセンスであると

 

一元化された強さの評価軸を牽制しうる要素を以下に作るか、

「薔薇打てば終わるけど、国際問題に発展して厄介なことになるぜ」とか「王子なんか瞬殺だけど船員全員敵に回したら逃げ切れずに死ぬぜ」

逆に

「国家軍事力が及ぶ範囲では大人しくしてたけど、上陸してからはやりたい放題するぞ」とか「王子を殺す正当な理由があるからボコボコにするぞ」みたいな牽制を回避しながら以下に自分の力を押し付けるか

 

みたいな強さでない部分の駆け引きに注目しながら読むと面白いですよ。と